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ジダンに訪れた試練。強力攻撃陣はなぜ沈黙したのか。群雄割拠のスペインで成功掴むには?

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

ジダン監督は自らのカラーに染められるか

 この結果に終わった原因は、やはり前半と同様に攻撃の形に幅がなかったことだろう。後半45分で全体のスタッツが上昇するとともにクロス本数も21本に増加した。

 クリスティアーノ・ロナウドとハメスという超がつくほど強力な両サイドを有しているとしても、前半で全く機能しなかったサイドアタックに後半も頼らざるを得ないのは苦しいといえる。

 監督就任からおよそ2週間、ジダン監督は2連勝スタートで好意に報じられる傾向にあるが、あくまでも今のマドリーはベースにベニテス監督が作ろうとしたものがある。

 もちろんそれは、ジダン監督自身が少ない準備期間の中でチームを大きく変えるのではなく修正して継続する方法を選んだということであり、そういった能力は監督にとって重要なもの。

 しかし、この日にベティスのフアン・メリーノ監督が見せたような戦略を立てるのも指揮官の仕事。そして、スペインという国で監督業を行う人物たちは、ほぼ全員が持ち合わせている能力である。

 ジネディーヌ・ジダンが、群雄割拠のスペインで賞賛を集めるためには、チームを自らのカラーに染めていく作業が不可欠となる。

【了】

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