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Jリーグ 8年前

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text by 藤江直人 photo by Getty Images

ACL決勝とJ1最終節バッティングの回避

 2つ目は過密日程の緩和だ。選手たちに負担を強いるだけでなく、観客動員数までもが著しく落ち込む平日開催の数を比べると、昨シーズンの「3」から今シーズンは「1」に減っている。チャンピオンシップ決勝戦の試合間隔も、物議を醸した昨シーズンの中2日から中3日となっている。

 最後は競技の公平性の確保となる。11月3日にセカンドステージを終了させることで、ACL決勝にJクラブが進出した場合の「リスク」を未然に回避させるスケジュールを優先させた。

 昨シーズンは全日程を確定させた後に、アジアサッカー連盟(AFC)がACLの決勝を11月7日と21日に行うと通達してきた。このスケジュールでは、Jクラブが決勝に進出した場合、当該クラブのセカンドステージの第16節(11月6日)と最終節(同22日)の前倒し開催を余儀なくされていた。

 実際問題として、昨シーズンはガンバ大阪がACLでベスト4にまで勝ち上がっている。一方でJリーグ及び日本サッカー協会としては、2008年シーズンのガンバを最後に遠ざかっているACL制覇をJクラブに達成してほしい。

 リーグ戦の最終節を同日同時刻のキックオフとする競技の公平性と、ACL制覇の重要性の両方を追い求めた末の決定であると、Jリーグの村井満チェアマンもこう語る。

「ACLの決勝にJクラブが進出した場合、リーグ戦の最終節に全クラブが揃わないということだけは回避しようというところから議論をスタートさせました。最終的にはACLに勝ちにいける日程を考慮して、昨シーズンと大枠は同じですが、ディテールのところでは随分と変更させていただきました」

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