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Jリーグ 8年前

Jリーグの「秋春制」移行はあるか? JFA会長選挙に見る、カレンダー改革の可能性

text by 藤江直人 photo by Getty Images

シーズン移行の議論を会長選のマニフェストに掲げた田嶋副会長

JFA会長選に立候補している田嶋幸三副会長【写真:Getty Images】
JFA会長選に立候補している田嶋幸三副会長【写真:Getty Images】

 Jリーグはすでに、チャンピオンシップのやぐらの組み方を、年間総合勝ち点の上位3位までをシードさせる方式に変更している。具体的には年間総合勝ち点の上位3クラブと両ステージ優勝クラブが完全に重複していると「3」、ひとつが重複していると「4」、重複なしならば「5」となる。

 リーグ戦が未曾有の大混戦となり、4クラブ以上がチャンピオンシップへ進出する状況となっても、やぐらの組み方を可能な限り簡素化させたことで、批判の対象だった「わかりづらさ」を解消。中2日で迎える1回戦へ向けて、告知面やチケット販売面などに与える影響を最小限にとどめたいとしている。

 しかしながら、すべての問題を包括的に解消させるスケジュールは、残念ながら現状では存在しない。したがって前出の理事も「理想の限界」という言葉を用いたのだろう。しかし、「限界」ということは、何かしらの要素がさらに加われば成り立たなくなることも意味している。

 たとえばハリルジャパンがワールドカップ予選を勝ち抜き、ロシア大会出場を果たせば、2018年シーズンは5月中旬から約1ヶ月半の中断期間を設けなければならない。今夏のリオデジャネイロ期間中もJリーグは開催されるが、自国開催となる2020年の東京五輪では中断せざるを得ないだろう。

 2018年と2020年の両シーズンで、数多くの平日開催を含めた過密スケジュールを再び組むのか。あるいは、何らかの方策を講じるのか。後者を選択するとすれば、まず考えられるのは現行の「春開幕・冬閉幕」から「秋開幕・春閉幕」へのシーズン制の移行となるだろう。

 日本サッカー協会の役員改選に伴う会長選挙に立候補している田嶋幸三副会長(FIFA理事)は、マニフェストのひとつとして「Jリーグの秋春制へのシーズン移行を議論すること」を掲げている。

 私案ではシーズン制の移行を2019年に設定。入場料収入や広告料収入などでJクラブが減収に直面する事態を防ぐために、2018年シーズンを2019年前半までの3ステージ制に変更。夏のオフを経て、スムーズに「秋春制」へ移行していく流れを提案している。

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