ユーベが敢行する補強革命。イタリアの全若手選手を“囲い込む”超大量管理システム

現代の欧州サッカー界において、選手のキャリアに移籍先クラブの選定が重要であることは言うまでもない。しかしながら、どのような選手であっても「選手の価値を高めることが上手いクラブ」というものは存在する。今回は14の欧州主要クラブに焦点を当て、所属選手の市場価値の推移によって「選手の価値を高める力」を測定することを試みる。

2016年01月26日(Tue)11時31分配信

シリーズ:最も選手の価値を向上させるクラブはどこか
text by Keiske Horie photo Getty Images
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ユベントスによる革命的な補強戦略

ユーベが敢行する補強革命。イタリアの全ての若手を囲い込む“超大量”管理戦略
ユベントスの未来を担うポグバ(左)とディバラ(右)【写真:Getty Images】

 今回はセリエAで四連覇中のイタリア盟主ユベントスの補強戦略を分析する。

 「選手価値の上昇」の定義と欧州主要14クラブの結果概要については「最も選手の価値を向上させるクラブはどこか? 欧州主要クラブを徹底比較」をご覧頂きたい。

 ユベントスは、2011年8月から2015年8月の間に獲得した選手の価値を合計2559万ユーロ(約33億円)上昇させた。始めに同クラブの近年の補強戦略について説明しよう。ユベントスは主に二つの手法によって補強を行なってきた。一つは「ピークの選手を獲得し、即戦力として迎える」こと。そして、もう一つが「将来有望な選手を確保し、戦力として育て上げること」だ。

 非常に基本的ともいえる二点。しかし、「ピークの選手を獲得し、即戦力として迎える」ことによって、ユベントスは移籍としては“成功”したものの、加入時と比べ退団時(もしくは現在)の市場価値が下がった選手が多く存在する。アンドレア・ピルロ、カルロス・テベス、ミルコ・ヴチニッチ、ファビオ・クアリアレッラといった選手が代表例である。「買って売るクラブ」ではないユベントスにとって、このことは必ずしもマイナスを示すことではない。

 一方で、今回注目したい点がもう一つの「将来有望な選手を確保し、戦力として育て上げること」だ。優秀な若手を早くに獲得することは、もはや欧州サッカー界において常識ともいえる事柄だが、ユベントスの場合はそのさらに一歩先をいっている。今回はその革新的な補強戦略に注目したい。

 純粋に“目利き”という視点で見た際にも、ユベントスはイタリアで屈指の実績を誇っている。アルトゥーロ・ビダル、レオナルド・ボヌッチといった黄金時代を築きあげてきた選手から、ポール・ポグバ、パウロ・ディバラと次代を担う逸材を育て上げている。とりわけ、2010年にジュゼッペ・マロッタSDが就任してから、選手選定の精度はイタリアでもトップクラスといってよいだろう。

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