惚れ惚れするピンポイント補強。無限の可能性秘めた1トップ+2シャドーに注目
最大の得点源を失ったチームはすぐさま代役の確保に動いた。そして交渉の末手にいれたのは、昨季J2へ降格した清水エスパルスで孤軍奮闘したピーター・ウタカと、京都サンガFCで燻っていた宮吉拓実の2人だ。
この2人にベテランのエース佐藤、長身ストライカー皆川佑介、スピードスター浅野拓磨、万能テクニシャン柴崎、精度の高い左足を持つ野津田岳人の5人を加えた7人で「1トップ+2シャドー」を形成することになる。いずれの選手もレギュラーとしての活躍を期待できる実力者で、前線の組み合わせには無限の可能性が広がる。今季も破壊力抜群の攻撃を見せてくれるだろう。
35歳を超えたミキッチのフル稼働が難しくなり、控えも含めて選手層が脆弱だったサイドにはモンテディオ山形でパワフルな活躍を見せた韓国人MFキム・ボムヨンが加入した。90分間尽きない無尽蔵のスタミナと、攻守にアグレッシブな姿勢はチームを確実に活性化する。
高卒新人を2人獲得し、次世代の育成にも余念がない。昨季は浅野がブレイクし、野津田にも覚醒の予感が漂う。また茶島雄介がクラブW杯で好プレーを披露するなど、これまでサブだった若い選手たちが確かな成長を見せており、チーム力はこれまで以上に高まっていそうだ。
リーグを制したことで前半戦はACLと並行した過密日程を乗り越える必要がある。既存戦力の維持にはおおむね成功しており、まずは新戦力との融合が課題になるだろう。また浅野や野津田が夏場にリオデジャネイロ五輪出場で離脱する可能性もあるため、その対策も立てなければならない。
【次ページ】補強面と総合力それぞれの診断結果