フットボールチャンネル

日本代表 8年前

リオ五輪でオーバーエイジは招集されるか? 過去5大会の日本代表を振り返る

text by 青木務 photo by Getty Images

2016年 リオデジャネイロ五輪 OA招集はあるか?

AFC U-23選手権を制し、リオ五輪出場を決めたU-23日本代表【写真:Getty Images】
AFC U-23選手権を制し、リオ五輪出場を決めたU-23日本代表【写真:Getty Images】

 手倉森誠監督が率いるチームは、セントラル開催となったアジア最終予選をしぶとく勝ち上がり、本大会への切符を手にした。

 相手に押し込まれる展開でも簡単には崩れない堅守を持ち、また劣勢でも揺るがないメンタリティもこのチームの特徴だ。何より、厳しい戦いを通して逞しい集団となったこのチームは団結力が強い。

 南野拓実、久保裕也と海外でプレーする選手もいるが、手倉森監督は特定の人物に依存することはない。今予選もフィールドプレーヤーは全員がピッチに立っている。OAが招集されたとしても、ポジション争いに勝てなければベンチを温めることになるだろう。

 過去の大会では、GKとDFにこの枠を使う傾向がある。世界を相手にする本大会ではより守備に回る時間が長くなるため、A代表で戦うなど経験豊富な選手に白羽の矢が立った。

 だが、今回のチームは守備の耐性が元々あり、“攻められ慣れている”ともいえる。また、ことごとくベスト8の壁に阻まれてきたこれまでの経験から反骨精神も強い。

 加えて植田直通、岩波拓也といったCBは高さと強さを兼備する過去の日本に少なかった人材だ。OA枠によって出場機会が限定されてしまうのは、将来の日本サッカーのためにも得策ではないのではないか。もっとも、前述したように手倉森監督は特定の選手に依存することはないため、OAを押しのけてレギュラーを掴むのが正しい道であるが。

 宇佐美貴史、大迫勇也など前線の選手のOA招集が取り沙汰されている。宇佐美はロンドン五輪メンバーだが結果は残せず、大迫は同大会のメンバーに入れなかった。それぞれに五輪への想いはあるはずだが、果たして手倉森監督はどのような決断を下すだろうか。

 今後も様々な報道が飛び交うと思われるが、OAを招集してもしなくても、指揮官を中心にチームが一つにまとまることが最も重要なのは間違いない。

1996アトランタ:招集なし
2000シドニー:GK楢崎正剛、DF森岡隆三、MF三浦淳宏
2004アテネ:GK曽ヶ端準、MF小野伸二
2008北京:招集なし
2012ロンドン:DF徳永悠平、DF吉田麻也、GK林彰洋(林は帯同せず)

【了】

1 2 3 4 5 6

KANZENからのお知らせ

scroll top