トルシエ元監督は招集を後悔。短絡的な議論で見逃されるOA枠のデメリット

決して芳しくなかった前評判を鮮やかに覆し、今夏のリオデジャネイロ五輪の出場権を獲得したU-23日本代表。6大会連続となる五輪切符を獲得し、4年後の東京五輪へ歴史を紡いだ23歳以下のアジア王者たちの周囲ではしかし、本大会で勝つためにはオーバーエイジを使うべきだという議論が、具体的な選手名を交えながら文字通り百花繚乱状態で飛び交っている。

2016年02月05日(Fri)10時25分配信

text by 藤江直人 photo Asuka Kudo / Football Channel , Getty Images
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五輪出場決定後、世間をにぎわせるOA招集論

手倉森誠
U-23代表を率いる手倉森誠監督【写真:工藤明日香 / フットボールチャンネル】

 行使するか否かではなく、誰を招集するべきなのか――。U-23日本代表がリオデジャネイロ五輪出場を決めた直後から、オーバーエイジありきの報道がかまびすしさを増している。

 メディアで名前が挙がった選手の数だけでも、すでに2桁に到達している。A代表の常連はもちろんのこと、手倉森誠監督がこれまで指導してきた縁からGK林卓人(サンフレッチェ広島)、出身地の青森県つながりでMF柴崎岳(鹿島アントラーズ)の名前も報じられている。

 候補として報じられた選手たちも、おそらく困惑しているのではないだろうか。FW大久保嘉人(川崎フロンターレ)のように「日本の力になれるのなら」と話すにとどめる選手もいれば、選出当確とされながらロンドン五輪代表から漏れたFW大迫勇也(ケルン)はこんな言葉を残している。

「僕からは何も言えないというか、何もわからない状況という感じです」

 オーバーエイジを含めて、選手の招集に関してはあくまでも手倉森監督の専権事項となる。出場権獲得に23歳以下のアジア王者という肩書を添えて、羽田空港に凱旋帰国した1月31日深夜。記者会見に臨んだ指揮官は、オーバーエイジ枠の行使に関してこう言及している。

「使わなきゃいけないとか、使わないととかは、いまはいっさい考えていない。彼らの成長とともに、いろいろ判断していければいいなと思います」

 国際オリンピック委員会(IOC)と国際サッカー連盟(FIFA)による綱引きが繰り返されたなかで、1992年のバルセロナ大会から五輪は「23歳以下のワールドカップ」として位置づけられた。

 年齢制限にとらわれない選手をオーバーエイジとして、3人まで招集できるように規定が追加されたのは1996年のアトランタ大会。理由は単純明快だ。知名度の高いスター選手たちに五輪を盛り上げてほしいと、商業的な思惑からIOCが熱望したからに他ならない。

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