データが提示する厳しい現実。Jリーグの試合に“迫力”がない理由【データアナリストの眼力】

昨シーズンからJリーグでトラッキングデータが公開されるようになった。各節終了後に選手それぞれのスプリント数、走行距離が発表されているが、このデータをブンデスリーガのものと比較すると、驚愕の事実が明らかになった。(データ分析:庄司悟)

2016年02月06日(Sat)9時30分配信

シリーズ:データアナリストの眼力
text by 海老沢純一 photo Getty Images
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スプリント回数が平均以上のドルトムント

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図1:ブンデスリーガ15-16シーズン全クラブのスプリント数、走行距離を図示化したもの。縦軸がスプリント数、横軸が走行距離。十字の線は平均を示す。

 Jリーグが昨シーズンから公開している「トラッキングデータ」。試合において、選手がトップスピードで走った「スプリント回数(24km/h以上のスピードで走った回数)」とトータルの「走行距離」をランキング付けしたものが公式サイト上で閲覧可能となっている。

 これと同様のデータを公式サイトで公開しているのがブンデスリーガ。この両リーグのデータをデータアナリストの庄司悟氏の分析をもとに比較すると、なんとも寂しい結果が浮かび上がってきた。

 まず見て欲しいのは図1。この図は、ブンデスリーガ全クラブの今季前半戦のスプリント回数を縦軸、走行距離を横軸にしたもの。

 目を引くのは、やはりバイエルン。ここまで平均支配率67%を記録する“グアルディオラスタイル”を極めている。よって、守備機会もカウンターの機会も少なくなるため、この結果は必然といえるだろう。

 香川真司の所属するドルトムントも今季から指揮を執るトーマス・トゥヘル監督のもと、平均支配率60%を記録するポゼッションスタイルを基本としているため走行距離は平均より少ない。

 一方で、やはりチームの根幹に流れるショートカウンターは今も健在で、オーバメヤンやロイスといったスピードのある選手が攻撃の中心的な役割を務めているためスプリント回数は平均以上を記録している。

 逆に、武藤嘉紀の所属するマインツはスプリント回数、走行距離ともに平均を大きく超える数値を記録している。これは、平均支配率47%で今季ここまでの全23ゴール中22%をカウンターが占めるスタイルであることが要因となる。(ちなみにドルトムントは12%、バイエルンは48得点中わずか1回の2%)

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