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なぜ記者と衝突を繰り返すのか? 穏やかなマンU監督、ファン・ハールの知られざる本音[INTERVIEW]

text by マーク・オグデン photo by Getty Images

新監督について助言を求められたら意見を言うつもり

 2017年6月のユナイテッドとの契約満了で監督業からは引退すると断言してきた。

「妻との約束なんだ。彼女はもう20年も私を支えてきてくれたからね」

 ファン・ハールは彼の後継者が、それが誰であろうと、またいつやって来るのだろうと、彼が進んで若手と向き合った恩恵を得るであろうということを受け入れている。しかし、ユナイテッドが次の監督に誰を選ぶかは、頭角を現し始めた若手に含みを持つだろうと認める。

「願わくは、将来人々が振り返ってみて、若手は私の遺産だと話をしてくれればいいね」とファン・ハールは言う。

「次の監督も若い選手に信頼を示すべきだろうが、私が判断できることじゃない。もしユナイテッドが私の引退後に、実績のない若手にチャンスを与えない監督を雇ったら、難しいだろうね」

「マンチェスター・ユナイテッドの役員会にとっても、新しい監督の姿勢を見ることは非常に大切だ。もし(監督として推薦を)求められれば、私は自分の意見を言うし、そうした後にでも彼らは自分たちが望むことが出来るわけだ。

 でもチームを去ってからも口を出すなんてことは考えるはずもない。チームを去れば、影響を与えたり貢献したりするなんてことはできない」

「しかしチャンスをものにできるかは若手たち次第だし、選手自身が一番の要因なのだ。(頭を指さして)まずはここ。しかし、態度も大事だ。いかにネガティブなことに対処するか。いつもいいことばかりではないんだからね」

「プロのフットボール選手ならあらゆることに対応しなければならないが、それは簡単なことではない。才能とはテクニックと戦術とフィジカルのことだが、そのほかにもこなさなければならないことはたくさんあるし、どれも容易なことではない」

 3年契約の半ばにあって、この先は見通しのつかないままだ。自身も、自らが公言したリーグ優勝への道が途絶えていないとは言えないことを認める。

「フットボールに平坦な道はない」、ファン・ハールは言う。

「常に上りか下りだ。どのチームもそう。平坦な道もありえるが、上りと下りを繰りかえすプロセスなんだ」

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