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日本代表 8年前

指揮官変われど変わらない代表の“固定化”。国内組、ベテランの所在は? ハリルに問う選考の是非

text by 元川悦子 photo by Getty Images

J1で3年連続得点王も代表が遠い大久保

大久保嘉人
3年連続得点王の大久保嘉人【写真:Getty Images】

 であれば、この期間を国内組も含めて他に戦力になりそうな選手の視察に充ててもよかったのではないだろうか。こうした欧州組中心メンバーへの傾倒は2014年ブラジルワールドカップで惨敗したアルベルト・ザッケローニ元監督を彷彿させる。

 ハリルホジッチ監督は「私は2015年の1年間で36人の選手を呼びました。その多くをトライしました。私には名前は関係ないし、ハイレベルの状態であれば代表に呼ぶ。それは就任した当初から言っていることです」と昨年末の国内組ミーティング時にも強調していたが、その招集人数は過去の代表監督と比べると決して多くない。

 しかも、入れ替えているのは枝葉で、軸と担う人材は2010年南アフリカワールドカップから変わっていないのだ。もちろん彼らの実績を上回るような若手や新戦力が出てこないからこの状況になっているのだが、もっと広い視点で戦力発掘に取り組む必要があるのも事実である。

 その対象者として、真っ先に名前が挙がるのが、J1で3年連続得点王という偉業を果たした大久保嘉人(川崎)だろう。国内リーグでこれだけの傑出した実績を残している選手が選考対象にならなければ、国内組の士気低下につながりかねない。

 現時点で彼は33歳。ハリルホジッチ監督や日本サッカー協会から見れば「年齢が行き過ぎている」という評価になるのだろうが、本人は「代表は今、一番いい選手が呼ばれるべきだし、年齢は関係ないし、世代交代とかはないですからね。

 ブラジルの時もクローゼ(ラツィオ)とかドログバ(モントリオール)が活躍していた。ロシアの時の自分も彼らと同じ歳ですからね。海外行けば代表に呼ばれるんだったら、みんな行きたくなるよね。俺だってそうだよ」と真っ向から主張していたことがあった。

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