リークによる“情報公開”がサッカー界にもたらす混沌。“暴露サイト”と流出元が語る問題の本質

昨今サッカー界を賑わせている暴露サイト「フットボール・リークス」。この無機質なインターネットサイトの運営者は、なぜ本来表に出ることのない情報を公開し続けるのだろうか。そしてこの“情報公開”はサッカー界に何をもたらすのだろうか。「フットボール・リークス」と主な情報流出元である「ドイエン・スポーツ社」を取材し、問題の本質を探った。(取材協力:ダン・オロウィッツ)

2016年02月20日(Sat)9時30分配信

text by 中山佑輔 photo Getty Images
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実は歴代最高額でマドリーに移籍していたベイル

フットボール・リークスのトップページ。文字だけの簡素なつくりとなっている。
フットボール・リークスのトップページ。文字だけの簡素なつくりとなっている。

 無機質なサイト上に、サッカー選手の移籍や契約に関する情報を淡々と暴露し続けているフットボール・リークス(以下FL)。活動の拠点はポルトガルにあり、ロシアのサーバーを利用しているようだ。(「送金がアメリカの銀行のサーバーを経由した」という理由で、FIFA汚職問題の捜査に米国のFBIが乗り出してきたことは記憶に新しい)

 2015年9月から活動を開始した同サイトは、ガレス・ベイルがレアル・マドリーに加入した際の移籍金(正確には契約解除に伴う違約金)が、オフィシャルの情報とは異なり実は史上最高額であったと暴露し、一躍サッカー界の話題をさらった。

 移籍金の多寡それ自体は極めて興味深いトピックだが、FLの暴露によって、ウェールズ代表のレフティが出場停止処分をくらうなどの事態は予想されない。その意味で、この件はあくまでスキャンダル的な問題に過ぎないだろうと考えられる。もちろんスポンサー方面に影響が派生する可能性は否定できないが。

 そのいっぽうで、FLによるリークが発端となり、“実害”を被ったクラブがある。それは宮市亮が2014-15シーズンに在籍していた、オランダ・エールディビジのFCトゥウェンテだ。

 同クラブはFLのリークした情報が発端となり、オランダサッカー連盟による調査の結果「3年間ヨーロッパのコンペティションへの出場禁止」という処分を受けている。

 このように、サッカー界に実際的な影響力を持ち始めたとも考えられるFLは、何を目的に活動しているのだろうか。幸いFLには問い合わせのメールアドレスがあるので、そちらに質問状を送ることにした。ちなみにそのメールアドレスの末尾は.ru、すなわちロシアの国別ドメインである。

 さらに、FLによる情報流出の主要な標的となっている「ドイエン・スポーツ社」(以下ドイエン)に対しても、我々は同様に質問状を送った。

 その結果、FLとドイエンの両者から、互いの言い分が相反していて非常に興味深い回答を得ることができた。

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