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CLラウンド16展望。注目は、最先端をいく“ハイブリット型”対決、バイエルン対ユーベの一戦【データアナリストの眼力】

16強での対決がもったいない、ユーベとバイエルンの一戦

縦軸をパス成功数、横軸を走行距離とし、CSラウンド16第2週初日の試合に臨む4クラブを、GS6試合の平均値で配置したもの。十字の線はCL参加32クラブの平均値
【図3】縦軸をパス成功数、横軸を走行距離とし、CSラウンド16第2週初日の試合に臨む4クラブを、GS6試合の平均値で配置したもの。十字の線はCL参加32クラブの平均値。

 1日目は、注目の好カードが揃う。まずはアーセナルvs バルサ。「世渡り上手」vs「クールネス」の対戦は2010/11シーズン以来となる。

 初戦ホームのアーセナルは、6試合で平均パス成功数388本、走行距離106.52km。とはいえ、同組にはバイエルンがおり、ディナモ・ザグレブとオリンピアコスとの計4試合では平均以上となる464本のパスを通している。バイエルンとの計2試合が平均237本と大きく下げているが、実質的には「クールネス」に位置しているチームである。

 しかし、忘れてはいけないのは今回の対戦相手が王者バルセロナであること。バルサは、走行距離は106.644kmだったがパス成功数ではバイエルン、PSGに次ぐ3位となる621本を通している。

 アーセナルは、このベスト16でもクールに振舞うことは許されないため、優れた処世術を発揮しなければならない。とはいえ、これまでのアーセン・ベンゲルはどちらかといえば「世渡り下手」。ホームで勝利しながらアウェイで惨敗、もしくはホームで惨敗を喫しながらアウェイで奮闘といった結果につながらない勝利を手にする展開も予想される…。

 もう1試合は、今回最大のビッグマッチとなるユベントスvs バイエルン。ともに現代の最先端を行く「ハイブリッド」同士の激突となる。

 昨季のファイナリストであるユベントスは、グループステージの6試合で平均426本のパスで16強中最多の114.168kmを走った。どちらかといえば走力に秀でたチームである。

 グループ突破が決まっていた最終戦のセビージャ戦で敗戦を喫して2位通過となったが、首位のマンチェスター・シティには2戦2勝を果たしている。セリエAではシーズン当初は苦しんだが、10月31日のトリノ戦から14連勝と現在はその強さを発揮している。

 対戦相手のバイエルンは、言わずもがな優勝最有力のチーム。グループステージ6試合ではパス成功数655本、走行距離109.917kmを記録。わずか1敗でレアル・マドリーとならず最多タイの19得点で失点は3と圧倒的強さで勝ち上がってきた。

 この段階で激突するのがもったいないほどの好カードは、現代のトレンドを堪能できる見逃し厳禁の一戦となる。

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