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京都、失望のシーズンを経て生え抜きが一挙退団。主力入れ替えでかつての輝き取り戻せるか【2016補強診断】

フットボールチャンネルでは、Jリーグ開幕に向けて、Jクラブの補強動向を診断していく。今季の目標に向けて、効果的な補強を行うことができたクラブはどこなのか。今回は昨季17位の京都サンガF.C.を占う。

text by 編集部

まさかの17位。失意の中生え抜きの主力が去る

 昨季開幕前に誰が京都の17位低迷を予想しただろうか。J2の中にあってキラリと光る豪華なメンバーを揃え、昇格が期待されたシーズンだったにもかかわらず、守備の崩壊を止められず、引きずられるようにして攻撃陣も一部を除いて鳴りを潜めた。

 そんな中、下部組織からの生え抜きたちがチームを去った。攻撃の中心だった駒井善成は浦和へ、原川力は川崎Fへ、大きな期待を背負いながら伸び悩んでいた宮吉拓実は広島へ、それぞれ“ステップアップ”を遂げた。また前線で1人気を吐いた大黒将志や、ベテランのパヤリッツァ、キム・ナミル、中山博貴、山口智も退団している。

 多くの選手が去った後にはJ1で主力を務めるだけの実力を持つ選手を補強した。GKに柏から菅野孝憲、名古屋からは本多勇喜と牟田雄祐のDF2人が、中盤には千葉から佐藤健太郎が加わっている。レンタルからの復帰組も含めると新戦力はなんと15人を超える。

 これだけガラリと選手を入れ替えたチームは再建に手間取る可能性もあるが、一方で実績などを考慮すれば十分に上位進出可能なメンバーを揃えている。石丸清隆監督が新戦力を生かしながらどのような戦術をピッチに落とし込むかが浮沈の鍵を握っている。

 特に守備陣は大幅にスケールアップしており、昨季の51失点を改善できるだろう。しかし前線は心もとない。大黒の抜けたストライカーのポジションには長崎から獲得したイ・ヨンジェ、横浜FMから獲得した矢島卓郎らがいるものの1年間を通してコンスタントにゴールを奪える保証はない。ウィングも病気を克服したダニエル・ロビーニョが存在感を発揮するが層は薄く迫力不足は否めない。

 アンバランスな構成になってしまったとはいえ、総合力の高さに疑いはない。大量の新戦力をどう生かしていくか、変革直後で難しいマネジメントが求められるが今年こそJ1昇格を果たしたい。

2016シーズン 戦力入れ替え

京都入れ替え2016

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