ハンド判定を“ミス”と認めた審判委員会の意図。オープンな議論がもたらすリスペクトの姿勢

J1王者・サンフレッチェ広島と天皇杯覇者・ガンバ大阪が対峙した、2016年シーズンの到来を告げる前哨戦・富士ゼロックススーパーカップで、後半10分にサンフレッチェが獲得したPKが大きな物議を醸した。リーグ戦の開幕が目前に迫った段階で、日本サッカー協会の上川徹審判委員長は件の判定が「ミス」であることを認めている。その意図はどこにあるのか。

2016年02月26日(Fri)15時30分配信

text by 藤江直人 photo Dan Orlowitz , Asuka Kudo / Football Channel, Getty Images
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物議を醸すことになったPK判定

飯田淳平主審(左)とG大阪の丹羽大輝(右)
飯田淳平主審(左)とG大阪の丹羽大輝(右)【写真:ダン・オロウィッツ/フットボールチャンネル】

 Jリーグの公式戦を裁く審判と接する機会は、ほとんど訪れない。たとえば判定にまつわる問題が発生した場合でも、メディアが担当審判団に取材することは原則禁止とされている。

 その意味で、日本サッカー協会の審判委員会が主催する形で、Jリーグが開幕する直前の時期に毎年開催されている『JFA Media Conference on Refereeing』は貴重な時間となる。

 間もなく始まるシーズンにおける判定基準(スタンダード)を、サッカー報道に携わるメディアに説明するもので、今年も2月24日に東京・文京区のJFAハウスで行われた。

 折しも20日に日産スタジアムで行われた富士ゼロックススーパーカップで、物議を醸すPK判定があったばかりだった。カンファレンスの後半ではスーパーカップの映像を用いて、飯田淳平主審のレフェリングに対する分析も行われた。

 本題に入る前に、問題となったシーンを再現したい。サンフレッチェ広島が1点をリードして迎えた後半10分。自陣から仕掛けたカウンターで左サイドを突破し、ペナルティーエリア内に走り込んだMF柏好文がゴール前へクロスを送った直後だった。

 ブロックするために飛び込んできたガンバ大阪のDF丹羽大輝の体に当たって、ボールはゴールラインを割った。このシーンで、飯田主審は丹羽がスライディングする際に大きく振りあげた左腕にボールが当たったと判断。即座にホイッスルを鳴らし、左手でペナルティースポットを指差した。

 納得がいかない丹羽はすぐに起き上がると、赤くなっている鼻の部分を右手でアピールしながら「顔に当たった」と抗議。飯田主審に激しく詰め寄り、異議によるイエローカードを受けてもなお、第4審判のもとへ走り寄って抗議を続けた。

 キャプテンのMF遠藤保仁、GK東口順昭らも飯田主審のもとへ詰め寄るが、もちろん判定は覆らない。FW浅野拓磨が決めたPKが結果的に決勝点となり、最終的には3対1のスコアで、サンフレッチェがシーズンの到来を告げる公式戦を制した。

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