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プラティニは蘇るのか。“秘蔵っ子”のFIFA新会長当選、虎視眈々と待つ復活の時

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

関係は冷めてもブラッターの功績を讃える

ブラッター氏(左)とプラティニ氏(右)
ブラッター氏(左)とプラティニ氏(右)【写真:Getty Images】

 プラティニの主張によれば、受け取った金銭は、純粋に仕事に対しての報酬であった。彼の“マネー”に対する発言が潔い。

「17歳の頃から大金を稼いでいたから、これまで金に執着したことは一切ない。チームメイトのサラリーなんかにもまったく興味なかった。元来金に無頓着な人間なんだ、私は」

 言ってみたいセリフである。

 などと感心している場合ではないが、プラティニはブラッターに「はめられた」とはっきり語っている。

「彼は私を陥れる機会を狙っていた。FIFA会長のポストも譲る気などさらさらなかった。私にとって不利になるようなことをいつも探していた。結局自分ももろとも堕ちてしまったがね」

 かつては師弟関係にあったブラッターに対して「すでに情はない」と冷めているプラティニ。しかし「彼のサッカー界への尽力は偉大だった」と功績だけは讃えている。

 今後については、ひとまず賄賂の嫌疑についての最終的な処分決定を待ち、仮に覆らないようなら、何か別の事を考える、と語っている(UEFA会長の任期は2019年まで)。ただ明確なプランは一切ないらしい。

「人生はサッカーだけじゃない。家族がいて、みなが健康でいること、素晴らしいことはまだ他にもたくさんある。晩年になってまたサッカーに携わることはあるかもしれないが」

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