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香川真司 8年前

BVBのテーマは「アート方法の啓示」。バイエルンとの首位決戦、香川ら先発で原点回帰か

ブンデスリーガ第25節、ドルトムントはホームでバイエルン・ミュンヘンとの首位決戦を迎える。トーマス・トゥヘル監督のもとでの新体制となる今季の目標は、あくまでもチャンピオンズリーグ(CL)の出場権獲得だったが、現在の勝ち点差は5。この一戦で勝利すれば優勝争いは一気に熱を帯びる。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「5ポイントが根本的な雰囲気を変えている」

バイエルン・ミュンヘン
マインツに敗北したバイエルン・ミュンヘン【写真:Getty Images】

 千載一遇のチャンスだ。2016年3月5日のブンデスリーガ第25節、ボルシア・ドルトムントはホームにバイエルン・ミュンヘンを迎え撃つ。2位と首位の直接対決である。そして第24節を終えて、バイエルンとの勝ち点差は「5」となっている。ここで宿敵を叩くことに成功すれば、その差は「2」となる。

 ブンデスリーガの後期が始まってから、両チームともに5勝1分の成績を収めて来た。なかなか「8」ポイントの差は埋まらない。しかし、前節のことだった。

 BVBがダルムシュタットに2-0で勝利すると、バイエルンはマインツに1-2で敗北する。直接対決を目前にして、望外の好機がドルトムントに転がり込んで来た。ダルムシュタット戦の後で、監督トゥヘルは「差をさらに縮めるために全力を尽くす」と意気込んだ。

 もっとも、今季のドルトムントの主眼は、あくまで“来季のチャンピオンズリーグの出場権を獲得すること”にあった。バイエルンを倒して優勝することではなかった。2月25日付の『キッカー』誌に対して、ミヒャエル・ツォルクSDが「卓越したさらなる発展」について語っている。

 目下のところ、ミュンヘンの王朝の独走は主要なテーマではない。勝ち点の収集だけではなく、自分達のプレーのアートと方法を示すこと。残留争いという地獄を見た昨季を乗り越えて、CLの出場権の獲得とスタイルの確立を含めた「発展」が、今季のドルトムントの主題だった。

 しかし、状況は一変した。前日の会見でトゥヘルは「5ポイントが根本的な雰囲気を変えている」と述べた。

「我々がホームで戦うのは、間違いなくメリットだ。全てのファンがこの試合について話している。我々もまたそうだ。明日、我々は全てのファンを必要とする。我々の側に」

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