なでしこ敗退も女子サッカーは死なず。苦境の今こそ支えることが未来へのリスタート

ベトナム戦に勝利したものの、なでしこジャパンのリオ五輪出場は叶わなかった。ここにきて様々な批判も出ている。当然敗戦の検証はすべきだが、女子サッカーの未来を考える上で、それ以上に考えるべきことがある。

2016年03月08日(Tue)10時48分配信

text by 舩木渉 photo Getty Images
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夜空に響いた“終わり”を告げる笛の音

なでしこジャパン
リオ五輪出場は叶わなかったなでしこジャパン【写真:Getty Images】

 キンチョウスタジアムの夜空に“終わり”を告げる笛の音が響いた。ベトナム相手に6得点を挙げて快勝を収めたことに選手たちは笑顔を見せたが、試合前にリオデジャネイロ五輪出場の可能性が消滅していた。

 アジアには強豪国が多いにもかかわらず出場枠は2つしか与えられていなかったが、大会前に日本が五輪に出られないことを誰が予想しただろうか。彼女たちは5年前に世界の頂点を極めている。そのチームがアジア予選で敗退する姿を誰が想像しただろうか。

 中国が韓国に勝利してリオ五輪予選敗退が決まった瞬間、ある言葉がふと頭の中を駆け抜けた。

「また来てくださいね!」

 これは昨年12月27日、日本サッカー界のレジェンド澤穂希にとって現役最後の試合となった皇后杯決勝の試合後、ミックスゾーンで取材に応じた近賀ゆかりがメディアに向けて発した言葉だ。事実その日は女子サッカーで見たことのない数のメディアがスタジアムに押しかけていた。

 もちろん目的は全国民が注目する「澤さん」のラストをお茶の間に届けるためだった。もし誰の引退試合でもなく普段と変わらない皇后杯決勝であれば、メディアの数もリーグ戦より少し多い程度だっただろう。近賀もその現状に危機感を抱いて我々に「また来てくださいね!」と投げかけたのだと思う。

 女子サッカーを継続して取材するメディア人は少ない。昨年の皇后杯決勝は明らかに一過性の盛り上がりだった。それだけにあの何気ない一言がなでしこジャパンの、ひいては日本女子サッカー界の未来に強いメッセージを発していたのではないかと考えてしまう。

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