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本田と長友はCLに出場できるか。残り10節、セリエA上位7クラブの対戦カードから終盤戦の展望を占う

text by Keiske Horie photo by Getty Images

台風の目となる可能性を秘めるクラブは…

 前述した勝点期待値はあくまで戦力を順当に結果に当てはめた形にすぎない。もちろん、番狂わせとなりえる要素は存在する。

 まず始めに言及しなければならないのは負傷者の存在で、とりわけミランは好調を支えていたニアンとリッカルド・モントリーボの離脱がチームの歯車を狂わせる可能性は大いにある。新たな形の模索に時間がかかれば、対戦カードの優位など意味は持たずたちまち7位に転落してしまうだろう。

 また、台風の目となりそうなクラブにも言及する必要がある。一番の存在は他でもない躍進中のサッスオーロの存在だ。ユベントス、フィオレンティーナ、インテルとの対戦を残しており、前節のミランのように上位陣を“食う”可能性も否定できない。

 その他には、ロベルト・ドナドーニ監督が就任以降絶好調を維持しているボローニャの存在だ。ユベントスの15連勝を止めたクラブであり、勝点3を期待していたところを1点も持ち帰ることができない可能性を秘めている。今節は早速インテルとの対戦が注目を集めることになりそうだ。

 最後に順位の上では格下となるものの一発勝負で番狂わせを起こす可能性があるのがヴィンチェンツォ・モンテッラ監督が率いるサンプドリアだ。今季ワルテル・ゼンガ監督のもと壊滅的なシーズンを送り、モンテッラ監督が途中就任を果たした。未だチームの改善に時間を要しているものの、ようやく2連勝と調子が上向いてきている。終盤戦、フィオレンティーナ、ミラン、サッスオーロ、ユベントスとの対戦を残しており、その頃には手強い相手になっている可能性も高い。

 現在UEFAカントリーランキングで3位プレミアリーグに迫っているセリエA。来季のUEFA大会出場権はチャンピオンズリーグ(CL)4枠復活の可能性にも大きく影響するだろう。果たして、本田と長友は来季欧州の戦いに繰り出すことはできるのか。セリエAの終盤戦から目が離せない。

【了】

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