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日本代表 8年前

U-23代表の“救世主”、V・ウェルメスケルケン際。蘭で揉まれた若武者が抱く果てなき野望【独占取材】

text by 舩木渉 photo by Wataru Funaki

中盤でプレーも「自分はSB」。目指す先はラーム

――後半戦は少し出番が減っています。1年目ということもあって仕方ないのかもしれませんが…。

「プロ1年目でここまでいろいろなことを経験できる選手はそういないので、正直に言うと『面白いな』と思っています。1部と2部両方を経験できて、先発で出る楽しさだけでなく、チーム事情や移籍の関係でベンチに座る日々の大変さと葛藤も身をもって知りました。どれだけ自分を信じ続けられるかですよね。全部ひっくるめて濃い1年です。

 どの選手も好きでベンチに座っていないと思いますし、もちろん悔しいです。一方でベンチに座っているからこそわかることや得るものがあります。ベンチで監督が何を言っているのか、もし自分が出たらどんなことを要求されるのか、横で集中して聞いていられるのはいいですね。

 現状をあまり悲観せず、自分を信じ続けられるか、出ないなりに何を得られるかを整理して努力し続ければチャンスは必ずめぐってくると思います」

――サイドバック(SB)としてトップチームデビューを果たし、今季は新しいポジションも開拓しました。

「最近は中盤を任されることも多くなりました。選手としての幅が広がるので、いろいろなポジションをやらせてもらえるのはありがたいと思っています。ただ自分はSBの選手で、やっていても一番楽しいのはSB。器用貧乏になってはダメなので、最終的にフィリップ・ラームのように両方を高いレベルでできるようになればいいですね」

――サイドと中央では全く見える景色や求められるプレーが変わります。自分の中に変化はありますか?

「中盤をやってみて、SBでプレーするときに中盤の選手がどんなことを考えて、何を要求してくるかもわかるようになりました。昔からサイドという180°の世界でプレーしてきましたが、プロのレベルで中盤の360°の世界を経験できるというのは貴重です。1部のクラブで同じようなコンバートはかなり難しいことだと思いますが、この環境で中盤をやらせてもらうことは成長につながりますし、いい勉強になっています」

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