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日本代表 8年前

U-23代表の“救世主”、V・ウェルメスケルケン際。蘭で揉まれた若武者が抱く果てなき野望【独占取材】

text by 舩木渉 photo by Wataru Funaki

体調管理へのこだわり。激しく当たる意味

ファン・ウェルメスケルケン際
際は試合や練習に合わせて規則正しい生活を送りサッカーに身を捧げている【写真:舩木渉】

――練習では監督からどんなことを求められていますか?

「ドルトレヒトは豊富な運動量が求められるチームなので、監督も毎日ハードな練習を課します。ただ甲府ユースの練習やトップチームへの練習参加で経験してきた辛さや難しさみたいなものはそれほど感じません。これまで日本でやってきたことが生きていると思います。オランダ人たちは毎日大変と言っていますけど(笑)」

――ウィンターブレイク明けからチームに負傷者が続出する中で、全く離脱することなく試合に絡み続けています。何か特別なケアや心がけがあるのでしょうか。

「せっかくのチャンスを怪我や風邪で無駄にしてしまうのは本当にもったいないので特に気をつけるようにしています。ただ特別なことはやっていないですね。自分の中で生活のメインにサッカーがあって、『日本を飛び出してサッカーをしに海外へ来た』という根本がハッキリしています。

 ここでは少なからず『外国人』という目線で見られますが、そこまで意識せずとも自分がやるべきことをちゃんとやっていれば自然に進むべき道が見えてきます。僕自身がヨーロッパでもっと上のレベルを目指したいので、そう考えるとやらなければいけないことも見えてきます」

――以前より身体が一回り大きくなったような気がします。

「たしかに最近は身体の大きいオランダ人に当たっても簡単に倒れることが減ってきましたし、逆に吹っとばせる回数が増えてきました。徐々にですが、パワーがついてきていると思います」

――オランダは1対1でもかなり激しい守備が要求されますし、パワーアップは不可欠ですね。ハリルホジッチ監督も「デュエル」を何度も強調しています。

「オランダに来た当初はボール1つに対しても激しくタックルすることに驚きました。彼らは練習中でも普通に足裏を見せてきますし、そういう部分でのタフさやハードさは日本でなかなか経験できるものではないですから。

 激しく当たられたら同じだけ強く返さないと、何もせずタックルを受けるだけでは自分が怪我してしまうんです。怪我のリスクを減らすためにも自分から激しくいくことが大事になります」

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