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ベイルはロナウドを超えるのか。レアルに不可欠な献身性。“100億コンビ”の真逆のスタイル

リーガエスパニョーラ第30節、レアル・マドリーはセビージャとホームで対戦して4-0と粉砕。この一戦で1ゴール1アシストを記録したガレス・ベイルは、度々クリスティアーノ・ロナウドと比較されるが、そのプレースタイルには真逆の原理があった。(文:海老沢純一)

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

自らの得点か、チームのためのチャンスか

ベイル
レアル・マドリーのガレス・ベイル【写真:Getty Images】

 9159万ユーロ(約115億円)。もはや1つのプロクラブさえも運営できてしまうほどの金額を費やしたガレス・ベイル。当時はバロンドールを獲得したことのない選手にかける値段ではないという意見が噴出した。

 特に同じく100億円越えの移籍金でレアル・マドリーへと加入したクリスティアーノ・ロナウドとの比較は続き、移籍後も度々パフォーマンスを指摘する声も上がっていた。

 さらに今季は長い負傷離脱もあり、本人にとっても満足のいかない状況だったはず。しかし、ピッチへと戻った現在のプレーを見ると、レアル・マドリーにとってクリスティアーノ・ロナウド以上に貢献度の高い選手であるといえる。

 リーガエスパニョーラ第30節、ホームにセビージャを迎えたマドリーは、サンチャゴ・ベルナベウのピッチでいつものように大量点となる4得点を奪って勝利を手にした。

 ベンゼマ、ロナウド、ベイル。“BBC”と呼ばれる前線3人の破壊力は凄まじく、リーガの上位クラブであるセビージャであっても止めることは不可能だった。

 特にロナウドとベイルによる両翼は、強靭なフィジカルと爆発的なスピードによるドリブル、圧倒的な得点力、そして天文学的な移籍金という共通点が多い。ただ、そのプレーを見ると正反対の意識を持ってピッチに立っていることがわかる。

 まず、ロナウドのプレーの基本原理は自らの得点。ドリブルはシュートを放つための移動手段であり、パスは自らがベストなポジションでボールを受けるための楔にすぎない。

 逆にベイルは、ドルブルによって相手の守備ブロックを崩し、ゴール前に味方が入ればためらわずにパスやクロスを入れることができる。

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