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本田圭佑 8年前

本田圭佑、復活までの道のり。先発落ち、監督からの冷遇も乗り越え…ミランで残した“実直性”という爪痕

現在の本田圭佑は、ミランにおいて欠かせない選手となっている。しかし、シーズン開幕時はトップ下で先発落ちし、右サイドでも出場機会が得られない時期もあった。それでも本田は守備のハードワークや正確なクロス、パス配給によって攻守に渡ってミランを支え、定位置の座を掴むことに成功した。本田が復活に至るまでには、ミランに残した“実直性”という爪痕があった。(文:神尾光臣)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images , Dan Orlowitz

開幕時はトップ下でプレーもスタメン落ち

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シーズン序盤は定位置の座を奪われていた本田圭佑【写真:Getty Images】

「本田は招集されたのか?」

 3月20日、ミランvsラツィオ戦後。記者会見の席でミランのシニシャ・ミハイロビッチ監督は、同席した広報担当者に本田圭佑の代表招集の有無を2度確認していた。この様子に記者会見場では笑いが起こっていたものの、指揮官にとっては内心気が気ではなかったはずである。選手の疲労について語った直後のことだった。

 12月20日のフロジノーネ戦以来、本田はカップ戦も含めてすべての試合に先発出場を果たしている。4-4-2の右サイドハーフとして替えの利かない存在となっている。代表から疲れて帰ってくることを心配される立場。これは、前回の代表ウィークだった昨年11月の時点では考えられないことだった。

 当時本田は、定位置の座を追われていた。ミランは開幕から4-3-1-2のシステムで戦い、本田は本来のポジションであるトップ下でプレーしていたのだが、ゴール前で得点に結びつく活躍が出来ずにスタメン落ちを喫した。

 その後ミハイロビッチ監督はジャコモ・ボナベントゥーラをトップ下に据えるものの、それでもチームは機能せず第7節のナポリ戦で大敗。そこからシステムをウイングを使った4-3-3、もしくは4-4-2に修正し、チームをなんとか機能させようと努めていた。

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