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ハリルJ、DF陣は猛省「後半は評価できるところほとんどない」。連続ピンチ招く、崩れたバランス

text by 植田路生 photo by Getty Images

吉田麻也
シリア戦を振り帰った吉田麻也【写真:Getty Images】

【日本 5-0 シリア 2018年ロシアW杯アジア2次予選】

 日本代表は29日、ロシアW杯アジア2次予選でシリア代表と対戦し、5-0で勝利を収めた。5得点で大勝したものの、守備では課題が山積だった。

 ボール支配率は67%と圧倒、シュートも22本放ったが、逆にシリアには15本のシュートを打たれている。幸いGK西川周作の好セーブにより無失点で終えたが、あわやというシーンを何度も作られた。

 吉田麻也は反省の弁を並べた。「後半はほとんど評価できるところはない。ラインコントロール、リスクマネジメント、カウンターの守備に対しても、あまりにも雑な部分が多かったし、僕も含めてイージーなミスも多かった。今日の試合に関してはまったく満足できていない」

 同じくセンターバックの森重真人も同様だ。「後半、相手が点を取りに来て、守備をしないで枚数も残っていた。それに対してもっとバランスを取れればああいう試合にはならなかった」

 試合を通じて前掛かりになりすぎた感はある。両サイドバックはウイングのようにどんどんと攻撃を仕掛け、戻りが遅くなっていた。また、全体的な重心が前になりすぎていたことで、自陣の人数が足りず、ボール運びに苦労する場面が見られた。

 シリアは前線から積極的にプレスをかけていた。気持ちは入っていたが、的を絞っているわけではなく、十分いなせるはずだった。ところが、ボールをもらいに下がってくる選手が少ない。特に後半は顕著で、守備陣に余裕はなくなっていった。ミスも増える。

 守備陣は猛省しているが、当然チーム全体の課題である。最終予選は1つの敗戦、1つの失点で窮地に追いやられる可能性もある。本田圭佑は「こんなにカウンターをくらうのは良くない。ただ、ボランチがあえて前に行って課題が出た。行く・行かない、の感覚を学ばないと。行けないと絶対学べない」と前向きに振り返る。

 最終予選まで約半年。この日学んだことをいかに糧にし、学んでいけるか。チームが目指すべき完成形はまだずっと遠くにある。

(取材・文:植田路生)

【了】

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