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ドルト主将も移籍。ドイツ人はなぜバイエルンに行きたがるのか? 自国民が抱く巨大な畏敬の念

ドルトムントの主将フンメルスがバイエルン・ミュンヘンへ移籍することが発表された。主将がライバルクラブへ移籍するのは大きな出来事であるが、このような移籍は過去にも繰り返されてきた。なぜドイツ人はバイエルンに行きたがるのか?(文:本田千尋【デュッセルドルフ】)

text by 本田千尋 photo by Getty Images

フンメルスが熱望した「タイトル」

マッツ・フンメルス
ドルトムントの主将マッツ・フンメルス【写真:Getty Images】

 また1人、選手がミュンヘンに向かう。

 2016年5月11日、ボルシア・ドルトムントは公式HP上で、10日にバイエルン・ミュンヘンとの間でDFマッツ・フンメルスの移籍が合意に達したことを発表した。7月1日付で、フンメルスはバイエルンに入団する。ドルトムントからバイエルンに選手が移籍するのは、13/14シーズンのマリオ・ゲッツェ、14/15シーズンのロベルト・レヴァンドフスキに続いてのことになる。

 なぜ、フンメルスはバイエルンへの移籍を希望し、そして決断したのだろうか。

 11日付の『シュポルトビルト』誌は、「タイトルの停滞が唯一の根拠である」と記した。11/12シーズンにブンデスリーガとDFBポカールの2冠を獲って以来、ドルトムントとフンメルスはタイトルから遠ざかっている。

 既に4月10付の『シュポルトビルト』電子版は、フンメルスが『ビルト』日曜版のインタビューにおいて、ユーロの開幕前には移籍の決断を下すこと、そして「タイトルを獲りたい」と語ったことを報じた。

 ここでの「タイトル」とは、単にブンデスリーガのことだけではなく、チャンピオンズリーグ(CL)のことも含まれているのだろう。ドルトムントでは国内リーグ戦とカップ戦は獲得したが、CLの優勝には手が届かなかった。

 もちろんドルトムントも、12/13シーズンにはCLの決勝に進出した実績があり、また来季は再びCLに参戦する。しかしバイエルンは、ここ5年連続で最低でもCLのベスト4には進出しており、11/12シーズンは準優勝、12/13シーズンは優勝している。どちらのチームがより「タイトル」に近いのかは明らかだ。

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