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バルセロナ、6冠、CL連覇逃すも、評価すべき国内2冠。チーム救ったS・ロベルト【15/16シーズン査定】

2015/16シーズンも各国リーグで最終節を終え、シーズン終幕を迎えた。タイトル獲得や昨季からの巻き返しなど様々な思惑を抱えていた各クラブだが、その戦いぶりはどのようなものだったのだろうか。今回はFCバルセロナを振り返る。(文:中山佑輔)

シリーズ:15/16シーズン査定 text by 中山佑輔 photo by Getty Images

ペップ時代以来の6冠に挑むも……

メッシ スアレス ネイマール
12月にはクラブワールドカップを制し5冠を達成した【写真:Getty Images】

 昨シーズン(14-15シーズン)、リーガエスパニョーラ、コパ・デル・レイ、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)を制したFCバルセロナ。3冠を達成したカタルーニャのクラブに期待されたのは、ペップ・グアルディオラ監督時代以来バルサにとって2度目となる6冠達成と、現行制度になって以降史上初となるCL連覇だった。

 セビージャとの120分にわたる激闘を5-4で制し、UEFAスーパーカップは獲得した。しかし直後に行われたスペインのスーペルコパでは、アスレティック・ビルバオの前に屈する。敵地サン・マメス・バリアに乗り込んだ1stレグでは0-4の惨敗。今シーズンの戦いそのものが危ぶまれるほどに見えた惨劇で、6冠達成の野望は打ち砕かれた。

 直後のリーガ開幕戦では、再びバスクの地でアスレティック・ビルバオと相見え、辛くも勝利を勝ち取る。ビルバオが実践して見せたような前線からのプレッシングは対バルセロナの常套手段となった。

 シーズン序盤、ルイス・エンリケ監督が率いるチームは、この前線からのプレスに苦しめられることになる。自陣ペナルティエリアの両脇に開いた2人のセンターバックにはプレッシャーがかかり、ブスケツにもマークがつく。ブラボの不在でリーガエスパニョーラデビューを果たしていたテア・シュテーゲンは、グラウンダーでのパスという選択肢を持てずロングボールを蹴るシーンが目立った。

 苦しみながらも白星を重ねていたバルセロナだったが、ビルドアップ時にサイドバックやアンカーの位置を調整して後方の数的優位を確保したり、ロングボールを使ったりすることで高い位置からのプレスに対して活路を見出し、上昇気流に乗り始めた。

 12月にはクラブワールドカップのために来日し、5冠を達成する。リオネル・メッシは尿管結石で出場が危ぶまれたが、決勝のピッチには姿を見せ、日本のファンを沸かせた。

 リーガ第8節のラージョ・バジェカーノ戦からは公式戦39試合連続無敗という偉業も達成。しかし、インターナショナルマッチウィーク明けの4月、急ブレーキがかかってしまう。メッシとネイマールの動きが重かったこの時期、バルサはクライフ逝去直後のエル・クラシコに敗れ、リーガでは3連敗を喫し、さらにはCLからも姿を消した。

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