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本田圭佑 8年前

本田圭佑、苦闘と努力の1年。“ゴール”という結果は出せずも…なぜ出場機会を守り続けたのか?

今季のミランは7位という成績でシーズンを終えた。その中で、本田圭佑はわずか1ゴールという結果にとどまった。攻撃的な選手としてはあまりにも少ない数字だが、なぜ本田は出場機会を守り続けたのだろうか。そこには、本田が挑み続けた苦闘と努力があった。
(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

本田、1年でわずか1ゴール。合格点以下の結果に

本田
今季はリーグ戦1ゴールに終わった本田圭佑【写真:Getty Images】

「大事なのは、ミランでのゴールよりも、チームが勝ったら僕が勝たせたというふうに書いてもらえたら嬉しいなと思います」

 本田圭佑は2月14日のジェノア戦でミドルシュートを突き刺したが、その試合後に出たコメントが冒頭のものだ。ミランを勝たせたい、という気持ちが常にあったのはプレーからも十分伝わっていた。序盤戦の不振からスタメンを下ろされ、途中交代が続いていた時も攻守に全力に体を張っていた。そしてこの時は、復調の末にフィオレンティーナやインテルにも勝ったチームの主力として貢献を続けていた頃だ。

 本来のポジションではないところでチームのために走り回った献身性は、地元メディアやサッカー評論家からも高い評価を得ていた。4月の監督就任後、一度は本田をスタメンから外したクリスティアン・ブロッキ監督も彼を再びスタメンに戻したことも、一定の評価を得ていることの証でもある。

 ただし、本田が言うところの『チームの勝利』には繋がらなかった。チームは7位でフィニッシュ、決勝もユベントスに延長の末敗れてUEFAヨーロッパリーグ(EL)出場を逃す。ミランをシーズンの最低限目標に導くことができなかった以上、結果から見れば合格点は与えられないとも言える。

 物足りなさが明確に表れているのはやはりゴールだ。攻撃的なプレーヤーとして1ゴールは少ない。序盤戦、シニシャ・ミハイロビッチ前監督のもとで4-3-1-2のトップ下のポジションを追われることになった理由も「ゴール前での物足りなさ」だった。

 後半戦は4-4-2の右サイドハーフとしてゴールから離れたところでプレーしていたので、点が余計に決めにくくなった部分はあるだろう。しかしながらマークが外れてフリーでシュートチャンスを迎えても、イージーに外すシーンも少なくなかった。

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