「危なっかしい」スタートを切ったフランス
フランス代表は7日、準決勝戦でドイツと対戦する。いよいよ優勝候補の一角との対決だ。
グループリーグでは、ルーマニア、アルバニア、スイスと、一筋縄ではいかない相手と戦い、いずれも前半戦は0-0に抑え込まれた。ルーマニア戦ではジルーが57分に先制点を決めるも、エヴラが与えたPKにより10分もたたずに同点に返され、初戦はドローか!?と息を飲んだ。だが終了間際にパイエが中距離弾を叩き込んでの逃げ切り勝利。パイエは一躍ヒーローとなった。
アルバニア戦では、熱のこもった相手の守備に攻めあぐねて90分までノーゴール。しかし今回も最後の瞬間にグリーズマンがゴールをこじ開けると、またしてもパイエがアディショナルタイムに追加点をあげて、2-0で勝利を手にした。
メンバーを代えて臨んだスイス戦は0-0止まり。これについてデシャン監督や選手たちは「グループ首位通過という目標を達成できたことがなにより大事」と話し、実際それは事実ではあったが、この時点では、フランス代表は「なんとなく危なっかしい」という印象だった。
それは次のラウンド16、対アイルランド戦まで続いた。開始早々に相手にPKを与えて0-1とリードを許すと、前半は同点に返すことができず1点ビハインドでハーフタイムへ。しかし、後半にグリーズマンが3分の間に2点を叩き込んで、晴れやかに逆転勝利をおさめた。
個々の能力や総合力は相手より高いにもかかわらず、それらしさを十分見せつけることなく、なんとか勝ち進んできた感じだったフランスの導火線に、ようやく火がついたのが、このアイルランド戦の後半戦、そして、それが爆発したのが次の準々決勝、アイスランド戦だ。
フランス人以外はほぼ全員がアイスランドを応援する、という異様な雰囲気の中、フランスは12分にマテュイディのパスからジルーが先制点。これがフランスにとって今大会で最初の前半戦での得点だったが、その後もポグバ、パイエ、グリーズマンが続き、EURO始まって以来の前半4得点、という新記録をつくってしまった。