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EURO2016 8年前

ドイツ代表、深刻化する“FW問題”。ゴメス不在の応急処置も奏功せず…世界王者は2年前の振り出しに

ドイツ代表は現地時間7日、EURO準決勝でフランス代表と対戦した。決勝進出を懸けた一戦は、唯一のセンターフォワードであるマリオ・ゴメスは負傷欠場し、応急処置としてトーマス・ミュラーがワントップでプレー。しかしこの応急処置も奏功せず、世界王者は0-2で敗れた。以前から抱えていた“FW問題”はさらに深刻化し、ドイツ代表における喫緊の課題となっていきそうだ。(文:本田千尋)

text by 本田千尋

ゴメス不在はミュラーで応急処置

ゴメス
フランス戦は欠場したドイツ代表のマリオ・ゴメス【写真:Getty Images】

 振り出しに戻ってしまった。2016年7月7日のEURO準決勝、ドイツ代表はマルセイユでフランス代表と戦う。

 イタリア戦で負傷したゴメスが今大会絶望となったことによって、レーブはフランス戦でのFW起用について“2つの可能性”に言及していた。1つは、トーマス・ミュラーをセンターフォワードで起用すること。もう1つは、ミュラーに誰かを加えた2トップを用いることだ。

 代表監督がそう語ったとおり、フランス戦ではミュラーがゴメスの代役に抜擢された。ミュラーをワントップに置くことは、今大会では初めてのことである。

 そういった応急処置のためか、序盤のドイツ代表はなかなか攻撃を組み立てられない。ボールを獲ったときに、少し判断が鈍った。12分には、ボアテングから左サイドを上がるヘクトルにパスが合わないなど、攻撃面で全体のバランスを欠いた。

 そんな不慣れな中でも、徐々にドイツ代表は攻撃を組み立てていく。ミュラーはエリア内に留まらずに広く動くだけでなく、左SHのドラクスラーが中に絞ることで、2トップのような形も取る。13分には、チャンの右からの折り返しに対して、ニアにミュラー、ファーにドラクスラーの2枚が合わせようとした。

 こうしてレーブは、“2つの可能性”を同時に実現しようとしたようだ。21分には、クロースがミュラーとのワンツーでエリア内に入っていく。ミュラーはワントップとしても精力的に動いた。

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