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アジア 8年前

増田誓志が感じた恐怖心。融合と反発の4年間で見た韓国サッカーの良し悪し【Kリーグの日本人】

シリーズ:Kリーグの日本人 text by キム・ドンヒョン photo by キム・ドンヒョン

加入後すぐ活躍も監督交代で冷遇。本意ではなかった移籍

蔚山現代
増田が移籍した蔚山現代。施設は日本より充実している【写真:キム・ドンヒョン】

 結果的に移籍は大成功だった。増田は加入直後からタフなプレーや独特のパスワーク、正確なキックなど、自分の持ち味を思う存分活かし、蔚山やKリーグのファンから支持を得た。蔚山の広報担当は「実力も、ファンへの態度ももはやチームで3本の指に入るほどの人気者になった」と誇らしげに耳打ちした。

「(最初に来た時の監督だったキム・ホゴン監督の戦術には)はめてもらえた感じが強かった。蔚山に来る前にビデオを2、3試合見ていたら、ボランチの仕事が結構拾い屋であったり、守備での運動量が大事な感じがしてまずそこかなと。あと、監督は『つなぐこと』も1つのテーマにしていたのでそこに注力した」

 もちろん順風満帆だったわけではない。途中、当時指揮を執っていたジョ・ミングク監督とは意見の食い違いが生じ、大宮アルディージャへ突如レンタル移籍した。

「大宮に移籍したのは自分の意思ではなかった。当時の監督と合わず、試合に出られていなかった。そのときちょうど大宮が話をかけてくれたが、個人的には試合に出られなくてもここで勝負したい気持ちがあった。

 そのうえ、時期的に急に決めなければならなくて一旦断ったが、監督から『呼んでくれるクラブがあるならそこで試合に出たほうが幸せなのではないか』と言われ、結構急だったけれども大宮に移籍することになった。

 (結構プッシュされたのかな?)そういう感じだった。だから正直『また蔚山に帰ることはないだろう』と思っていたけど、戻ってきた(笑) 」

 増田が離れた2014年、蔚山の成績はそれまでがまるでうそのように急降下した。そして増田の復帰とともに大きな変革が行われる。

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