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マルセイユ、まさかのビエルサ“再招聘”か? 酒井宏樹加入の名門。クラブ売却の行方

今年4月、売却が表明されたオリンピック・マルセイユ。経済的に厳しい状況が続き、選手の売却を続けてきたフランス随一の人気を誇る名門クラブは、再生の道をたどることができるのだろうか。新オーナーの有力候補は、“エル・ロコ”ことマルセロ・ビエルサの“再招聘”というまさかのプランを用意しているという。(文:小川由紀子)

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

売却されることになったフランス一の人気クラブ

 新シーズン開幕は約10日後に迫っているが、いまだ体制が整っていないのが、フランス一の人気クラブ、オリンピック・マルセイユだ。

 2009年に前オーナー、リシャール・ルイ・ドレイフュスが他界すると、妻のマルガリータが亡き夫の意志をついでクラブ運営を継続してきた。だが今年4月、ついにクラブを売却すると発表した。これまで何度も売却の噂はあったが、正式に表明したのは初めてだ。

 数年前からスイス人銀行家とパートナー関係にあり、今年3月に彼との間に双子を授かったことも、おそらく彼女に決断させる大きな要因の一つになっていることのだと思う。しかし、4ヶ月近くが経過した現在、まだ具体的な話は進んでいない。

 この間、マルガリータ女史にオファーを申し入れたのは3者。アメリカの投資グループ、グッゲンハイム・ベースボール・マネジメント。以前はF1チームのロータスを所有していたルクセンブルグを拠点とする投資グループの創始者、ジェラール・ロペス氏。そしてイラン人のパウロ・タヴァレスなる人物だ。

 しかし各報道によれば、このタヴァレス氏については、どうもハッタリ臭いとマルセイユのフロントたちは本気にしていないらしい。

 グッゲンハイム・ベースボール・マネジメントは、アメリカMLBのロサンゼルス・ドジャースのオーナーでもある。彼らは真剣に買収を検討しているとのことだが、ネックとなっている点がある。

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