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日本代表 8年前

岡崎慎司の飢餓感。ゴールへの欲望とさらに目指す高み。「W杯は決勝T行かないと意味ない」

リーグ開幕戦で先発落ちの憂き目を見た岡崎慎司だったが、2戦目からは復帰。代表戦に合わせるかのように調子を上げてきた。エースFWは、何より結果が重視される最終予選とあって相手の堅い守備を崩す柔軟なアイデアも持っている。そしてもちろんゴールへの貪欲な姿勢もある。むしろ飢餓感とも言える。(取材・文:元川悦子)

text by 元川悦子 photo by Getty Images

レスターで先発復帰。調子を取り戻した岡崎

岡崎慎司
岡崎慎司にとって今回は2010年南アフリカ、2014年ブラジル両W杯に続く三度目のアジア最終予選となる【写真:Getty Images】

 イングランド・プレミアリーグ初参戦となった昨季は史上初のリーグ制覇の一翼を担い、一気に評価を上げた岡崎慎司(レスター)。しかし2年目の今季はアフメド・ムサら新戦力の加入により、8月13日の開幕戦・ハル・シティ戦ではまさかのスタメン落ちを強いられた。

 そんな屈辱を味わっても「レスターで自分がやるべきことは整理している。得点以外の部分では認めてもらっていて、チームがうまく行かない時に自分を欲してもらった」と本人が言うように、クラウディオ・ラニエリ監督は20日の第2節・アーセナル戦からいち早く彼を先発に戻した。

 この素早い修正が功を奏し、いい時の状態を取り戻したレスターは27日のスウォンジー戦で今季初勝利。岡崎自身も頭から80分プレーし、右肩上がりに調子を上げる形で、2018年ロシアW杯アジア最終予選初戦・UAE戦(9月1日=埼玉)に挑む日本代表に合流したのである。

「3試合やって感触はいいですし、体的にもいい。移動の疲れはもちろんありますけど、もうフレンドリーマッチでもないし、本番なんで。緊張感もある」と29日に代表初練習を消化した彼は、すでに臨戦態勢に入っていることを強調した。

 岡崎にとって今回は2010年南アフリカ、2014年ブラジル両W杯に続く三度目のアジア最終予選。南アの時は中村俊輔(横浜)や中村憲剛(川崎)といった偉大な先輩たちにけん引してもらう中で、切符を獲得した2009年6月のウズベキスタン戦(タシケント)の決勝弾を叩き出すに至った。

 ブラジルの時は最終予選通算3得点とやや物足りなかったが、本大会切符に王手をかけた2012年11月のオマーン戦(マスカット)の決勝弾などチームに大きく貢献。着実にステップアップを果たしてきた。そして今回は、キャプテン・長谷部誠(フランクフルト)に次ぐチーム2番目の年長者として大舞台に挑む。彼自身の心構えも、当然のごとく違ってくるはずだ。

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