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清武、本来の輝き放てず。守護神奮闘で勝点1獲得も、セビージャが直面する配球役の不在問題【現地記者の目】

リーガエスパニョーラ第2節、敵地でのビジャレアル戦に臨んだセビージャ。ミッドウィークにチャンピオンズリーグ・プレーオフを戦った相手との試合だったが、ゲームを支配され、GKセルヒオ・リコの活躍によって辛くも引き分けに持ち込んだ。開幕戦でゴールを決めた清武もこの試合では期待された活躍を見せることができなかった。(取材・文:ロシオ・ゲバラ【セビージャ/マルカ】、翻訳:フットボールチャンネル編集部)

text by ロシオ・ゲバラ photo by Getty Images

開幕戦のような活躍は見られず

清武弘嗣は低調なプレーに終始し、途中交代となった
清武弘嗣は低調なプレーに終始し、途中交代となった【写真:Getty Images】

 リーガエスパニョーラ第2節ビジャレアル戦は、セビージャを追いかける記者にとって素晴らしい物語を記す題材にはならなかった。いや、並の題材にもなりはしないだろう。

 ホルヘ・サンパオリ率いるチームは、危険な場所でのボールロストや終盤の疲労などいくつもの欠点を露呈し、サイクロンのようだった開幕節エスパニョール戦(6-4)のパフォーマンスは見る影もなかった。

 一方でビジャレアルは、チャンピオンズリーグ(CL)・プレーオフ敗退という傷を負いながらも、この試合では勝利を得るに値した。が、アレシャンドレ・パトが前半で負傷。ロベルト・ソルダードが長期離脱を強いられる状況で、新指揮官フラン・エスクリバはつくづく運がないようだ。

 セビージャがリーガで最後にアウェイ戦勝利を飾ったのは、2015年5月23日。その日にマラガを3-2で下して以降、アウェイ戦勝利数のメーターは0から一切動いていない。今季、監督がウナイ・エメリからホルヘ・サンパオリに代わったが、その初戦を終えてもメーターの針が1を指すことはなく、それどころか失望が希望を上回った。

 エスパニョール戦で示した攻撃への鋼鉄の意思とインテンシティーはビジャレアル戦で失われてしまったのだ。セビージャの攻撃の鍵を握る清武弘嗣とフランコ・バスケスはビジャレアルにプレッシングという手錠をかけられ、動きを制限されたまま後半途中にピッチから下がっている。日本人MFに関しては、中盤の底でボールを受け取り、攻撃を組み立てる際にパスミスを繰り返していた。

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