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本田が語るUAE戦の敗因。“ぬるま湯”故の「勝負弱さ」は改善されぬまま

text by 編集部 photo by Dan Orlowitz

本田圭佑
本田圭佑【写真:ダン・オロウィッツ】

【日本 1-2 UAE 2018年ロシアW杯アジア最終予選】

 日本代表は1日、ロシアW杯アジア最終予選でUAE代表と対戦し1-2で敗れた。

 試合後、本田圭佑は「勝負弱かったですね、今日は。そこだと思います」と敗因を分析した。どんな内容であれ勝たなければいけなかった重要な試合を落とし、「今の日本は数値上、たぶんすごくいい戦力だと思う。でもやっぱり試合に勝つって数値で測れないものだったりするんですよね。そこが欠けてるのは間違いない。この2、3年それが結果として表れている」と危機感を口にする。

「大事な試合で先制までして2失点してしまうっていうのは、数値では測れない、本当にもう少し、まさしく勝負強さというような、勝負に慣れているか、慣れていないか、厳しいことを経験してきたかどうか、そんな積み重ねの集合体だと思うんですよ」

 困難を乗り越えることによって身につける勝負勘の欠如を訴える本田だが、それはすぐに解決できることではないと主張する。そのうえで、いまの日本に足りないのは「Jリーグの選手がもっと海外に出ていく」ことであり、国内では出会えない異質なサッカーとの勝負に慣れなければならないと提言した。

「海外である程度レギュラー争いしている選手であれば、よほどのことがない限りは日本代表に選んでもらって、そこで試合に出られる」状況は、本田曰く健全な競争ではない。海外でレギュラー争いをする選手を増やし、それが当たり前の状況からピックアップしなければ本当の強さを身につけられないと考えている。

 1年半前のアジアカップでUAEに敗れてから成長したところを見せられず、またしても同じ国に屈する失態を演じてしまった日本代表。本田の語る改善策はすぐに実現できるものではないが、「数値では測れない勝負強さ」を身につける意識改革は早急に行わなければ、タイやオーストラリア相手にも痛い目をみることになるだろう。

(取材:元川悦子)

【了】

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