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代表 8年前

韓国、中国下し白星発進。楽勝ムードから一転ピンチも勝点3獲得。ソン・フンミンは離脱へ

2018ロシアW杯アジア最終予選初戦で中国代表を下した韓国代表。ホームの初戦で一時は3-0とリードしたものの、そこから2点を奪われ辛勝という格好になった。結果が何よりも求められるW杯予選では勝点3を獲得できたのはポジティブなことだが、リードした際の戦い方には課題を残した。(取材・文:キム・ドンヒョン【ソウル】)

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

アウェイで半数のチケットを求めてきた中国

 9月1日の午後3時頃、空に穴でも開いたかのような土砂降りがあった。2018ワールドカップ最終予選初戦が行われるソウルワールドカップ競技場のピッチコンディションが悪化するのではないかと心配されたが、それは杞憂に終わった。気温は23度で湿度も適度。韓国サッカー協会(KFA)が気にしていたのは、天候よりも観客のことだろう。

 無理もない。相手は13億人の人口を誇る中国だ。在韓中国人は数百万人にのぼる。韓国としてはホームスタジアムを超満員にした上で初戦を勝利で飾りたい気持ちはもちろん、リオ五輪での物足りない結果の鬱憤を何とか晴らしたい気持ちがあるはずだ。

 開場前の現場に着いたのは試合開始3時間前の17時。すでに物凄い車の行列が目にとまった。交通警察も配置されており、秩序は保たれている様子だ。メディア関係者であることを警察に伝え、ようやく会場に入った。

 メディア関係者と伝えなければ、4つもある駐車場に入ることすら難しかったのかもしれない。駐車場には中国から来たファンが乗ってきたとみられる大型バスも数台止められていた。

 この試合は中国でも大きな期待が寄せられた。KFA広報担当のアン・ヒョジン氏によると、当初中国が求めてきたチケット数は3万枚。66,000人が定員のスタジアムの半分にものぼる数字だ。協議の末、アウェイ側の1、2階を含む15,000枚を中国側に配分すると調整。それでもアウェイチームにしては少ない数ではない。

 だが、実際ふたを開けてみると会場を訪れたのは8千人ほどだった。想定外の観客数。アン氏は「中国側は販売に自信があるようだったが、実際売り切れはなかった。また購入者の中でもビザ発行に問題があって(韓国に)来られなかった人もたくさんいた」と説明した。

 しかし韓国日刊新聞『世界日報』スポーツ部のチェ・ヒョンチャン記者は「韓国観光公司関係者から確認すると中国現地でのプロモーションがうまくいかなかったようだ。韓国に来たらただでチケットがもらえるから、わざわざ向こうでは買わないとのこと。現在来ている人数の7割くらいは在韓中国人」だと耳打ちした。実際、アウェイスタンドで中国ファン6人に直撃すると全員が「韓国に住んでいる」と答えた。

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