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日本と同組のサウジ、終盤のPK2本でイラクに逆転勝利。今予選全3得点PKで2連勝

text by 編集部 photo by Getty Images

サウジアラビア
PKで3ゴールのサウジアラビア代表FWナッワーフ・アル・アビード【写真:Getty Images】

【イラク 1-2 サウジアラビア 2018年ロシアW杯アジア最終予選】

 ロシアW杯アジア最終予選が6日に各地で行われ、日本と同じグループBのイラクとサウジアラビアが激突した。

 前半はボールポゼッションこそ互角なものの、イラクがシュート数でサウジアラビアを上回りチャンスを作る。18分にはペナルティエリア内で相手DFを巧みにかわしたモハナッド・アブドゥルラヒームがイラクに先制点をもたらした。

 後半も序盤はイラクのペースだったが、60分過ぎから風向きが変わりサウジアラビアに流れが傾く。すると残り10分でドラマが起きた。

 サウジアラビアは80分にハッサン・ファラターがペナルティエリア内で倒されてPKを獲得すると、10番のナッワーフ・アル・アビードが冷静に決めて同点に追いつく。

 さらに86分、左サイドの深い位置からドリブルで切り込んだアル・アビードがファウルを受けて再びサウジアラビアのPKが与えられる。それを自ら決めて逆転。最終盤にはイラクにFKでゴールに迫られる場面もあったが、しっかりと逃げ切ってサウジアラビアが2連勝を飾った。

 オーストラリアが試合を終えていない段階でグループ暫定首位に立ったサウジアラビアだが、今予選で挙げた3ゴールすべてがPKだった。1日のタイ戦では、中国人主審が疑惑の判定を連発した挙句、イラク戦と同じく終盤の84分にPKを獲得して辛くも勝利を挙げた。

 2試合連続で試合終盤のPKに助けられた形のサウジアラビア。2次予選も“幸運”が重なって突破してきた。

 ホームのパレスチナ戦では後半アディショナルタイムの91分に同点に追いつかれながら、94分に勝ち越しゴールを奪って3-2で勝利。アウェイのマレーシア戦は観客の暴動で試合途中で打ち切られ不成立となり記録上3-0の勝利となった。

 その後東ティモールに7-0で勝利し、次のUAE戦では90分にPKが与えられて土壇場で逆転して勝ち点3を確保すると、クウェート戦は対戦国がFIFAによる制裁で予選に参加していなかったため開催すらされなかった。

 また、サウジアラビアはホームゲームに限れば、昨年6月にパレスチナを3-2で破る直前のヨルダンとの親善試合から、今月6日のイラク戦まで7連勝を遂げている。一方、アウェイゲームは格下の東ティモール戦(10-0)、前述のマレーシア戦とイラク戦を除き今予選で勝利がない。しかもイラク戦は第三国であるマレーシア開催だったため、完全なアウェイとは言えない。

 ホームでの圧倒的な強さが本来の実力で、PKによる勝利が続いている現状が偶然であればよいのだが…真相は神のみぞ知るところだ。いずれにせよW杯最終予選同グループの日本にとって難敵には違いない。

【得点者】
18分 1-0 アブドゥルラヒーム(イラク)
81分 1-1 アル・アビード(サウジアラビア)
86分 1-2 アル・アビード(サウジアラビア)

【了】

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