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本田圭佑 8年前

本田、右サイド起用の理由。ミランは敗戦も…今季初出場で発揮した“3つの適応性”と今後の可能性

ミランは現地時間11日、セリエA第3節でウディネーゼと対戦し、ホームで0-1の敗戦を喫した。日本代表の本田圭佑は試合の終盤に右サイドで投入され、今季リーグ戦で初出場を果たした。ミランに加入して2年半、本田は出場した多くの試合で右サイドでプレーしている。今季から就任したヴィンチェンツォ・モンテッラ監督も、やはり本田を右サイドに起用した。スピード不足といわれながらも、なぜ本田はサイドで起用されるのだろうか。試合には敗北したが、この試合のわずかな時間で本田は“3つの適応性”を発揮していた。(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

本田、右アウトサイドで今季初出場

本田
試合途中に右サイドで今季初出場を果たした本田圭佑【写真:Getty Images】

 ミランvsウディネーゼ戦、後半31分。ベンチからスタッフが出て、後半の頭からアップを命じられていた本田圭佑を呼んだ。支度を済ませた彼は、ベンチ前のテクニカルエリアでヴィンチェンツォ・モンテッラ監督から指示を受けた。

 指示をしながら指揮官が指差す先は右サイド。本田はこれまでスソとポジションを争っていたが、この試合でもスソは一番調子の良かった選手で、引っ込めるということは考えにくい。どうするのかと思って見ていたら、本田と交代でホセ・ソサが下がり、中盤右インサイドのアンドレア・ポーリは左に回されて、スソはカルロス・バッカに近いポジションを取る。そして本田は右のアウトサイド。しかも動きは、明らかに縦の上下動を意識させられていた。

 途中でミランはジャンルカ・ラパドゥーラを投入し、システムを4-3-3から4-4-2へ変更。すると本田は、完全に右のサイドハーフになっていた。気がつけば、シニシャ・ミハイロビッチ指揮下の昨シーズンと同じだ。

 スピードに欠けると見られ、ウイングやアウトサイドには向かないと散々言われた。しかしミランの2年半で、比較的良い活躍ができたのもアウトサイドとしてだ。こういう選手としてミランで定着してしまっている本田は、結局今シーズン初めての試合でも同じ使われ方をすることになった。

 スソやジャコモ・ボナベントゥーラなどと比べると、敏捷性には欠けるイメージがある。その様子を見つづけてきたサン・シーロのファンは、本田がカウンターでボールを持つと「早く攻め上がれ」と言わんばかりに声援のトーンを変える。36分、パブロ・アルメーロを1対1で抜き損なった際には、スタンドからため息が漏れた。

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