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清武、2試合出場なしも失っていない信頼。求められる試合を動かす役割【現地記者の目】

遠征メンバーには選ばれたものの清武弘嗣の出場機会はなかったアウェイでのユベントスとのチャンピオンズリーグ初戦。結果として攻撃を放棄することで勝ち点1を持ち帰ることに成功したセビージャ。エイバル戦後にはベティスとのダービーが控える。清武はサンパオリ監督の目指す魅力的な攻撃的サッカーに必要な存在であることを示す必要があるようだ。(取材・文:ロシオ・ゲバラ【セビージャ/マルカ】、翻訳:編集部)

text by ロシオ・ゲバラ photo by Getty Images

無理をすることがなかった代表ウィークで約3万キロの移動

清武弘嗣
代表ウィークに3万キロの移動を強いられた清武【写真:Getty Images】

 セビージャは今週木曜日に、日本の大手旅行代理店H.I.S.とのパートナー契約合意を発表。アジア市場への進出をまた一歩前進させた。クラブは「セビージャFC」のブランドを世界的により広く展開することを望んでおり、すでに日本の複数の大手企業がセビージャのスポンサー権獲得への関心を示している。

 そのような関心を惹きつけている大きな理由は、スター軍団のレアル・マドリーやバルセロナを擁するリーガエスパニョーラという魅力的なリーグに参加しているチームであること、クラブレベルでの欧州最高峰の大会であるチャンピオンズリーグに出場していること、そしてこの夏に清武弘嗣を獲得したことにある。

 ハノーファーから加入した清武は、セビージャのここ2試合の公式戦で1分たりともプレーすることはなかった。だが、その理由は様々な周辺事情にあり、決してシーズン開幕からの数週間でホルヘ・サンパオリ監督の信頼を失ったということではない。

 リーガのラス・パルマス戦では、清武は代表チームでの長距離移動の直後ということで休養を与えられた。まずは埼玉、それからバンコクで試合を行ったことで、清武は約3万kmの移動に耐えなければならなかった。

 日本とタイを隔てる5000kmの移動に加え、マドリッドを経由してのセビージャ帰還に18時間の長旅を要したことが、リーガの前節で招集メンバーから外れた理由だった。無理をする理由などどこにもなかった。

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