主将のミレ・ジェディナクと記者会見に臨んだアンジ・ポステコグルー監督(右)【写真:編集部】
オーストラリアのアンジ・ポステコグルー監督は10日、ロシアW杯アジア最終予選の日本代表戦に向けた前日記者会見に臨んだ。
日本との長年のライバル関係について問われると、ポステコグルー監督は「Jリーグがアジアで最も強力なリーグ」と対戦相手へのリスペクトを示した。
オーストラリアは2006年から正式にアジアサッカー連盟(AFC)に加盟し、アジア地域の一員となった。同じ年のW杯では日本を劇的な展開で破り、そこから両国のライバル関係がスタートしたと言える。
ポステコグルー監督は「AFC加入と共に様々な発展があった。Aリーグが開幕し、プレーオフなしでW杯に出場できるようになった。当時は日本が恐らくアジアNo.1の国だった」とアジア参入当時を振り返る。
そして「私はJリーグがアジアで最強のリーグだと思っている。現時点で日本といい勝負ができるのは代表戦だけ。Aリーグは成長しており、今後Jリーグのように強くなると思う。だが、育成などはJリーグに遠く及ばない」と語り、日本サッカーが積み重ねてきたものの大きさを称えた。
しかし、「代表レベルで我々は上手く渡り合える」と勝利に自信をのぞかせる。ここ数年オーストラリアは日本に勝てていないが、いずれも拮抗した展開で1点が勝敗を分ける試合で、ホームの今回も十分な勝機があると考えているようだ。
「鍵になる選手が数人おり、最近はチーム内に変化が見られる。それでもチームははっきりとした形を持っている。彼らには良いリーグの良いクラブに所属してる選手も数人いる。加えてJリーグはレベルの高い大会だ。しかし、我々は相手のことをしっかり分析しているし、日本がどんなプレーをしようとしているのか、パターンを把握している」
Jリーグや日本代表へのリスペクトを述べながら、記者会見の最後では策士ぶりも見せたポステコグルー監督。言葉通りにいかない曲者指揮官は、W杯出場権獲得に向けてしたたかに準備を進めている。
(取材・文:舩木渉【メルボルン】)
【了】