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Jリーグ 7年前

【英国人の視点】浦和、ルヴァン杯制覇で新たな時代の幕開けか。“シルバーコレクター”を脱却した指揮官

2016年10月15日、ルヴァンカップを制覇し、2015年のファーストステージ制覇を除くと2007年のACL優勝以来となるタイトルを獲得した浦和レッズ。10年にわたって日本で指揮を執るペトロヴィッチ監督にとってもはじめての国内3大タイトル獲得となった。この戴冠から、日本最大規模のクラブは黄金時代を築くことができるだろうか。(取材・文:ショーン・キャロル)

text by ショーン・キャロル photo by Dan Orlowitz , Getty Images

無冠の日々に終止符を打った浦和

ミハイロ・ペトロヴィッチ監督
浦和レッズのペトロヴィッチ監督【写真:ダン・オロウィッツ】

 長い長い時間だった。正確に数えるなら3258日間。だが浦和レッズは10月15日にルヴァンカップを勝ち取ったことで無冠の日々に終止符を打ち、日本最大のビッグクラブとして新たな成功の時代の幕開けを告げることができた。

 去年のJ1ファーストステージ制覇を考慮に入れるのはやめておくとして、レッズが本物のトロフィーを最後に手にしたのは、2007年にACL優勝を成し遂げた時だった。準々決勝から参加した今回のルヴァンカップでのタイトル獲得は、アジア最高のクラブとして戴冠することとは少々意味合いが異なるとはいえ、ガンバ大阪をPK戦で下した勝利のインパクトは過小評価すべきものではない。

 李忠成のファーストタッチによる得点でスコアは1-1となり、試合は延長戦へ、そしてPK戦へともつれ込んだ。チームの10年ぶりの国内タイトル獲得を助けた男は、試合後のミックスゾーンで安堵した様子を見せ、ミハイロ・ペトロヴィッチも含めたクラブの全員の肩から重荷が取り除かれたことを感じさせた。

「これまで(浦和がタイトルにあと一歩手が届かなかったのは)何が原因だったのか分からないですが、今日はそれが変わったと感じています。ミシャは“シルバーコレクター”だと言われていましたが、これでタイトルを獲得できました。最初の一歩さえ踏み出すことができれば、その後はもう振り返る必要はないはずです」

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