フットボールチャンネル

EAFF E-1 Football Championship 2017予選第2ラウンドが香港で開幕。1チームが来年日本で開催される本大会へ

text by 編集部 photo by Getty Images&Guam FA

東アジアカップ予選
EAFF E-1 Football Championship 2017予選を戦う4チーム【写真:Getty Images&Guam FA】

 EAFF E-1 Football Championship 2017の予選第2ラウンドが日曜日に開幕し、開催国の香港とグアム、北朝鮮、台湾が本大会への出場を目指す。2017年12月に開催される本大会には、開催国の日本と前回王者の韓国、および中国がすでに出場を決めている。

 2002年に東アジアサッカー連盟が設立されて以来、この大会は地域内の強豪国にとっても成長途上の国々にとっても重要な意味を持つものとして開催されてきた。アジアのクラブでプレーする選手たちの中から本大会のメンバーを選出することで、日本や韓国のようにFIFAワールドカップやアジアカップなどの主要国際大会に参加する国々にとっては、国内の新戦力を評価する機会となっている。

 一方で、本大会の前年に2つのラウンドに分けて開催される予選は、より力の劣る加盟国が成長度を確認することができる舞台となる。近年では競争力が向上し接戦が繰り広げられている。

▽グアム

 グアム代表は昨年、英国人のギャリー・ホワイト監督に率いられて一躍脚光を浴びた。トルクメニスタン戦でW杯予選でのチーム初白星を挙げることに成功し、同年中に過去最高となるFIFAランク147位まで上昇を果たした。

 ホワイト監督はその後中国のクラブである上海申キンを率いることになったが、彼の遺産は引き継がれている。かつてホワイト監督が仕事をしていたシアトル・サウンダーズ・アカデミーの元ディレクターである米国のダレン・サワツキー監督の下には、ホワイト監督の頃と同じコーチングスタッフも多く残っている。初のEAFF E-1 Football Championship本大会出場を目指すグアム代表を牽引するのは、経験豊富な主将のジェイソン・カンリフと、ロサンゼルス・ギャラクシーでプレーするスター選手AJデラガルザの2人だ。

▽香港

 キム・パンゴン監督率いる香港は、ホームでの大会で躍動を見せたいところだ。最近では親善試合で好調な戦いぶりを披露しており、9月にホームでのカンボジア戦に4-2の勝利を収めたのに続いて、10月にもアウェイでのカンボジア戦、ホームでのシンガポール戦で勝利を飾った。

 多文化による融合で構成されたチームは観る者にとって興味深い。ナイジェリア生まれのアレクサンダー・オルワタヨ・アカンデや、ガーナ出身のFWゴッドフレッド・カリカリ、屈強なDF陣のフェストゥス・バイセ、ロベルト・オルランド・アフォンソ・ジュニオル、ジョナサン・ジャック・シーリーなど他国から帰化した選手たちが数多くメンバーに含まれている。

 他国出身選手がメンバーの4割近くを占めているとはいえ、香港出身の選手たちの中にも何人かの際立ったタレントがいる。代表チームの歴代最多得点者であるチャン・シウキや、MFファン・ヤンといった選手たちだ。

▽北朝鮮

 北朝鮮は、20年以上ぶりの外国人指揮官であるヨルン・アンデルセン監督の下での初の公式戦を戦うことになる。過去にマインツなども率いたノルウェー出身の同監督は、未来の大会に向けてチームを成長させていくことに主眼を置き、5月の就任以来戦ってきたいくつかの親善試合に若い選手たちを数多く招集してきた。

 昨年の本大会で3位に入ったチームは予選突破の最有力候補だが、結果は安定していない。ベトナムに2-5で敗れた試合に象徴されるように、ここ最近の結果には若さと経験不足が反映されている。キャプテンを務めるGKリ・モングクの守備能力と力強いパフォーマンスが成功の鍵となりそうだ。

▽台湾

 混戦の中から抜け出して初のEAFF E-1 Football Championship本大会に進みたい台湾にとって、今予選は大きな挑戦となる。

 日本の今井敏明監督が率いていたFIFAランク161位のチームは、今年の夏にグアムで開催された第1ラウンドで北マリアナ諸島(8-1)、モンゴル(2-0)、マカオ(3-2)を下して悠々と第2ラウンド進出を果たした。先月には東ティモールとの2試合にいずれも2-1の勝利を収め、2019年アジアカップ予選でも3回戦へ駒を進めている。

 今週には、新監督として黒田和生氏の就任が発表された。滝川第二高校やヴィッセル神戸ユースで過去に監督を務めた黒田氏は、岡崎慎司や金崎夢生といったスター選手を育て上げてきた。キャプテンを務めるタイパワー・カンパニーFC所属のMFチェン・イウェイや、杭州緑城所属のFWチェン・ポリャンなど、台湾にも地元出身の優れたタレントは多い。

▽試合日程(会場は香港の旺角大球場、キックオフは現地時間)

11月6日
15:00 北朝鮮 対 台湾
18:00 香港 対 グアム

11月9日
17:00 グアム 対 北朝鮮
20:00 香港 対 台湾

11月12日
15:00 台湾 対 グアム
18:00 香港 対 北朝鮮

【了】

KANZENからのお知らせ

scroll top