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久保建英、「すごく緊張した」15歳のJデビュー。勝利呼べず自己採点は「15点」

text by 舩木渉 photo by ダン・オロウィッツ

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FC東京の久保建英【写真:ダン・オロウィッツ】

 明治安田生命J3リーグ第28節が5日に行われ、FC東京U-23はAC長野パルセイロに1-2で敗れた。

 この試合で最も注目を集めたのは史上初の“21世紀生まれ”Jリーガーの誕生だった。FC東京U-23の久保建英は後半開始から交代でピッチに立ち、15歳5ヶ月1日でJリーグ史上最年少出場記録を塗り替えた。

 会場となった駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場にはJ3では異例ともいえる7653人の観客が詰めかけ、久保の一挙手一投足に熱い視線を送った。

 初めてJリーグのピッチに立った久保本人も「ベンチで落ち着いてプレーしている選手を見ていたんですけど、実際ハーフタイムに中に入って、最初に入った時はすごく緊張した」とJリーグデビューの瞬間を振り返る。

 たしかに最初の10分間ほどはなかなかボールに触れず見せ場はなかったが、徐々に周りと絡み始めると随所に持ち味を発揮。左足から繰り出されるワンタッチパスやドリブル、絶妙なスルーパスに観客が沸いた。

 しかし、久保は全く自分のプレーに満足していない。「自分のいろいろな反省点というか、今後に向けての改善点が見えた」と語り、「自分はシュートも打てていなくて、あまり攻撃にも絡めず、いない時間が多かったので20点とか15点くらいだと思う」と自らのプレーを厳しく評価した。

 15歳とは思えない冷静な受け答えでプレーを分析する久保からは、すでに大物の雰囲気が漂っている。だが取材対応中には「サッカー選手になって、注目されなくなったら良くないなというのはありますけど、いまはあまり注目して欲しくないなというのはあります」と本音もポロリ。中学生らしさも垣間見せた。

「上にはさらに上がいて、自分はまだまだ下」と謙虚な久保は向上心に溢れている。「高いレベルを経験できて、ここからどのくらい差があるかというのがわかった。その差を詰めていけるチャンスというか、いい機会だと思っています」と語る通り、このチャンスを生かして自分をいかに高められるかが成長の鍵を握りそうだ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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