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日本代表 7年前

【識者の眼】大迫勇也こそハリルJの最適解――。必然の2ゴールに凝縮された“FWとしての理想像”

11日、オマーン代表との親善試合に4-0と勝利した日本代表。注目は久々復帰ながら2得点をあげたFW大迫勇也。彼が明確な結果を示すことができたのは、そこに至る質の高いプレーがあったからに他ならない。一体、大迫のプレーは何が良かったのか。(取材・文:河治良幸)

text by 河治良幸 photo by Shinya Tanaka,Getty Images

指揮官も絶賛。大迫の2ゴールは今後の戦いに大きな意味がある

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存在感を示した大迫勇也【写真:Getty Images】

 1年4ヶ月ぶりの代表復帰で先発出場のチャンスを得たFWの大迫勇也は「(応援のコールは)なつかしい感じがしましたね。ピッチの中のにおいと言うか、自然のモチベーションが上がりました」と語る思い出の地であるカシマサッカースタジアムで2ゴールを決め、代表指揮官に「このポジションに良い候補が見つかった」とまで言わしめた。

 「正真正銘のゴールゲッターを探している」とハリルホジッチ監督は就任当初から繰り返し言ってきたが、攻撃陣の中でもゴールに最も近い1トップの選手がこうした目に見える結果を出したことは前線の“新たなソリューション”として、今後の戦いに向けても大きな意味がある。

 「2点取ったからうれしいというのもあるが、私が要求したポジションを取ってくれた」と語る指揮官が「オフサイドで1点は取り消されたが、それがあれば3点取った」と主張する通り、リスタートの流れから本田圭佑のクロスに合わせた前半19分のシーンも大迫らしいフィニッシュワークが実りかけた形だった。

 ここまで指揮官に称賛されたのは、大迫が明確な結果を示したことに他ならないが、そこに至る極めて質の高いプレーを見せたからである。ゴールを中心に分析していきたい。

<前半32分のゴール>

 清武弘嗣のクロスを豪快なヘッドで合わせゴール左に決めたが、そこにいたるゴール前のポジショニングが実にストライカーらしかった。

 左のライン際でボールを持った清武が右スペースへ走る山口蛍に向かってサイドチェンジパスを送る。その折り返しを受けようとした本田圭佑の手前で相手DFのアルムハイニが触ると、ボールがマイナスに流れてオマーンのMFアルシェアディに奪われてしまう。

 その時、大迫はどう動いたのか。

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