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日本代表 7年前

“ザックの遺産”は不要になったのか? 本田・香川・岡崎がハリルJで生きる道

日本代表は15日、ロシアワールドカップアジア最終予選でサウジアラビア代表と対戦して2-1の勝利を収めた。結果次第で本大会出場を大きく左右する重要な一戦だったが、これまで代表を支え続けていた本田圭佑、香川真司、岡崎慎司の名前は先発メンバーになく、代わりに先発した大迫勇也、清武弘嗣、原口元気らが結果を残した。ザックジャパンの“遺産”とも言える3人だが、果たして今の代表チームでは不要な存在となってしまったのだろうか? そして、ハリルジャパンで彼らが生き残っていく道はあるのだろうか。(取材・文:元川悦子)

text by 元川悦子 photo by Shinya Tanaka , Getty Images

先発はフレッシュな顔ぶれ。“ザックの遺産”は不要になったのか?

本田 香川 岡崎
“ザックの遺産”ともいえる本田圭佑、香川真司、岡崎慎司(左から)はサウジアラビア戦で揃って先発落ちとなった【写真:田中伸弥】

「昨日と今日の練習ではホントに明日誰が出るのか分からない感じでやってますし、監督も緊張感を持たせてるのかなと思います」

 2018年ロシアワールドカップの行方を大きく左右する15日の大一番・サウジアラビア戦(埼玉)を前にして、キャプテン・長谷部誠(フランクフルト)は誰がスタメンで出てもおかしくない流動的な状況だと語っていた。

 迎えた当日、ふたを開けてみると、本田圭佑(ミラン)、岡崎慎司(レスター)、香川真司(ドルトムント)の3枚看板が揃って控え。こうした選手起用はアルベルト・ザッケローニ監督時代の2010年から6年間、一度もなかったこと。それだけエポックメイキングな出来事だった。

 彼らに変わる前線は、1トップに大迫勇也(ケルン)、2列目右に最終予選初先発の久保裕也(ヤングボーイズ)、トップ下に清武弘嗣(セビージャ)、左に原口元気(ヘルタ)。ロンドン・リオ五輪世代のフレッシュな陣容となった。清武はクラブでの出場機会が少ないものの、11日のオマーン戦(鹿島)で「試合勘問題なし」と判断されて先発するに至ったが、それ以外は所属先でコンスタントに活躍している面々ばかり。「できるだけよりよい選手を選ぶ」と語っていた指揮官はコンディション重視の現実的なメンバー選考をしたのである。

 その采配はズバリ的中し、前半のうちに清武がPKで先制。後半には原口が最終予選4試合連続となる値千金の追加点を挙げた。大迫は2~3人のDFに囲まれてもびくともせずにボールを収めて起点を作り続け、前半45分間のみの出場だった久保もA代表初の大舞台とは思えないほどアグレッシブさを前面に押し出した。

 久保は前半22分に酒井宏樹(マルセイユ)のマイナスクロスに反応しフリーでシュートを打つ決定機も迎えていた。「強いシュートを打ちたかった」と本人も悔しそうだったが、新風を吹き込んだのは間違いない。清武のリズミカルなパス回し、原口の献身的守備と大胆な攻めを含め、前線4枚の迫力にはサウジも大いに圧倒されたはずだ。

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