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Jリーグ 7年前

名波ジュビロ、指揮官がMVPに挙げた大井健太郎。古巣復帰初年度、守備の要が示した存在感

「勝ち点40」という目標をかかげ、2016シーズンの明治安田生命J1リーグに臨んだジュビロ磐田。最終的に獲得した勝ち点は36だったが、最低限の目標であるJ1残留はクリアした。名波浩監督が選んだチームのMVPはDF大井健太郎。今季古巣に復帰したセンターバックは、シーズンを通して守備の要として獅子奮迅の活躍を見せ続けた。(取材・文:青木務)

text by 青木務 photo by Getty Images

磐田復帰の理由。名波監督の存在

ジュビロ磐田のDF大井健太郎
ジュビロ磐田のDF大井健太郎【写真:Getty Images】

 1月14日、ヤマハスタジアムの記者会見場で2016シーズンの新体制発表が行われた。新加入選手の中に、大井健太郎の姿があった。

 静岡県の名門・藤枝東高校から2003年、磐田に入団。2011年に湘南ベルマーレへ移籍すると、翌年からはアルビレックス新潟でプレー。新潟での4年間で守備の要に成長し、キャプテンも務めるなど厚い信頼を得た。そんなCBが32歳を迎える今シーズン、プロとしてのキャリアをスタートさせた古巣に帰還した。

「自分を呼んでくれた名波さん、チームスタッフに感謝しています。自分を快く送り出してくれたアルビレックスの皆さんにも感謝しています。自分は尊敬する人物に父と名波さんの名前を常に挙げているんですけど、その監督のもとでプレーできるのはすごく幸せなことだと思います。期待に応えられるようなプレーをピッチで出せるように、練習から一生懸命やっていければと思います」

 壇上でマイクを持った大井は、磐田復帰の理由の一つに名波浩監督の存在を挙げた。その後の囲み取材でも「移籍を決断するにあたってすごく悩んだ。新潟に感謝もありますし、魅力も感じるチームだったので、離れてしまうのは残念でした。でも、それ以上に名波さんとやりたいという気持ちが強かった」と移籍の決断を明かしている。

 練習から常に声を出して周囲を盛り立て、不用意なプレーをした選手には厳しく叱責し反省と自立を促す。もちろん、いい動きを見せた選手には称賛を惜しまなかった。加入直後から存在感を発揮すると、当然のように開幕戦のスタメンに名を連ねた。

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