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Jリーグ 7年前

鹿島、脈々と連なる「常勝軍団」のバトン。プラチナ世代へ引き継ぐための大一番。8度目の年間王者へ描くシナリオ

2016シーズンのJ1王者を決めるJリーグチャンピオンシップ決勝第2戦が、3日19時半に埼玉スタジアムでキックオフを迎える。11月29日の第1戦では年間勝ち点1位の浦和レッズが、敵地カシマスタジアムで1‐0で先勝。10シーズンぶり2度目の年間王者獲得へ大きなアドバンテージを得たなかで、年間勝ち点3位の鹿島アントラーズが下克上を成就させる可能性はあるのか。7シーズンぶり8度目の王者獲得へ、常勝軍団が描くシナリオを追った。(取材・文:藤江直人)

text by 藤江直人 photo by Getty Images

昨シーズンと異なる優勝決定の方式

浦和レッズ
第1戦はレッズが勝利を収めた【写真:Getty Images】

 いい意味で開き直れる。2ゴール以上を奪ったうえで、浦和レッズに勝つ。具体的な得点数と戦い方を明確にしながら、鹿島アントラーズが敵地・埼玉スタジアムで3日に行われる決戦に臨む。

 ホームのカシマスタジアムにレッズを迎えた、11月29日のJリーグチャンピオンシップ決勝第1戦。アントラーズは57分に喫したPKによる失点を取り返せないまま、0‐1で苦杯をなめた。

 準決勝ではエース・金崎夢生があげた値千金の先制ゴールを死守し、敵地・等々力陸上競技場で雄叫びをあげた。ディフェンスリーダーの昌子源は、試合後にこんな言葉を残している。

「(レッズとの)第1戦はしっかりとホームのアドバンテージを生かして、アウェイゴールを与えずに勝つこと。特に何かを変えることなく、僕たちらしいサッカーを最後まで貫きたい」

 昌子がアウェイゴールにこだわったのは、もちろん意味がある。サンフレッチェ広島がガンバ大阪を下し、美酒に酔った昨シーズンから優勝チームの決定方法が大きく異なっているからだ。

 ホーム&アウェイ方式で争われ、2試合で勝利数が多いチームが王者となる点は変わらない。1勝1敗の場合、(1)2試合の得失点差(2)2試合におけるアウェイゴール数――の順で決まる点も然り、だ。

 それでも両チームが並んだ場合、昨シーズンは(3)第2戦終了後に15分ハーフの延長戦を行う(4)PK戦――で決着をつけていたのが、今シーズンはともに廃止されたうえで(3)に次の項目が追加された。

「年間勝ち点1位チーム」

 シーズンを通して最も多くの勝ち点を獲得したチームに、最終的にはアドバンテージを与える。ある意味で理にかなった方法であり、今シーズンはレッズが歴代最多タイの勝ち点74で年間1位になった。

 同72で2位のフロンターレを下克上で撃破した、同59で3位のアントラーズとしては2試合をトータルで考えた場合、可能な限りネガティブな要素は取り除いておきたい。

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