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オランダでは寛大な対応。シャペコのためユニ脱いだ選手にイエロー出さず

text by 編集部 photo by Getty Images

ナタン
チェルシーからフィテッセにレンタル中のナタン【写真:Getty Images】

 現地時間3日に行われたオランダ・エールディビジの試合で、シャペコエンセへの追悼の思いを表すためユニフォームを脱いだ選手にはイエローカードが出されなかった。3日付のオランダ紙『テレグラーフ』などが伝えている。

 日本代表DF太田宏介も所属するフィテッセは、エールディビジ第15節の試合でズヴォレと対戦して3-1の勝利を収めた。太田もフル出場したこの試合では、2-1で迎えた後半アディショナルタイムに、チェルシーからフィテッセにレンタルされているブラジル人MFナタンが勝利を決定付ける3点目を加えた。

 ゴールを決めたナタンはユニフォームを脱ぎ、黒いアンダーシャツを露出。そこには先日の飛行機事故で多くの選手を失ったブラジルのシャペコエンセのエンブレムと、「#FORCACHAPE(頑張れシャペ)」の文字が入っていた。ヨヘム・カンプハイス主審は、このナタンの行為に対してカードを出しはしなかった。

 ルール上は、いかなる理由であれゴール後にユニフォームを脱ぐことは認められていない。実際に、フランスではパリ・サンジェルマンのFWエディンソン・カバーニが同様の形でシャペコエンセへの追悼を表し、イエローカードを受けることになった。

「彼があの酷い事故で2人の友人を失ったことは知っていた。だから私はすぐに振り向いて立ち去ることに決めた。ルールによればイエローを出さなければならないが、そうはしなかった。彼が今日ゴールを決めて、友人に捧げられるのはあまりにも特別なことだった。それが最善の決断だと思えたんだ」と主審は試合後にコメントしている。

【了】

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