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ペップはコンテに「完敗」だったか? チェルシーのマンC撃破が今季のプレミアにもたらすこと

現地時間3日、プレミアリーグ第14節でマンチェスター・シティはチェルシーと対戦。ペップ・グアルディオラとアントニオ・コンテ両監督の初対決となった一戦は、シティが1-3の逆転負けを喫した。「ポゼッション対カウンター」という構図となったが、果たしてペップは「完敗」だったのだろうか? そして、チェルシーがシティを撃破したことは今季のプレミアリーグに何をもたらすのだろうか。(取材・文:山中忍【ロンドン】)

text by 山中忍 photo by Getty Images

ペップ対コンテの初対決。シティがチェルシーに逆転負け

アントニオ・コンテ グアルディオラ
チェルシーのアントニオ・コンテ監督(左)とマンチェスター・シティのペップ。グアルディオラ監督(右)【写真:Getty Images】

 ともに、プレミリーグ初挑戦の40代。戦闘意欲が旺盛で勝利には貪欲。勝つための戦術は緻密にして柔軟。チームとしては1ポイント差での首位攻防戦。ペップ・グアルディオラとアントニオ・コンテの監督初対決には、甲乙つけ難い好勝負が期待されていた。そして迎えた12月3日の14節、3-4-3で並ぶ陣形まで同じだったエティハド・スタジアムでの一戦は期待を裏切らなかった。

 試合結果としては、グアルディオラのマンチェスター・シティが、コンテのチェルシーに逆転負けを喫した(1-3)。後半ロスタイムには、シティのセルヒオ・アグエロとフェルナンジーニョが一発退場を命じられもした。

 そのため国内各紙では、「グアルディオラ敗北」の色が強く打ち出された。『エクスプレス』紙には「危機到来」の文字。『ミラー』紙はグアルディオラから「オーラが消えた」と報じていた。

 だが実際は、前半45分にガリー・ケイヒルのオウンゴールで先制したシティが、後半早々に2、3点差にリードを広げることもできた内容だった。グアルディオラの戦術がコンテの戦術に完敗したわけでもなければ、メディアがサッカーの美学を追求する「聖人」のように扱っていた感のあるグアルディオラが、反則や危険行為をよしとする「悪人」と化したわけでもない。無論、4位に順位を落としたシティが、リーグ優勝争いから脱落したわけでもない。

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