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オスカルを失うコンテ、中国資本の台頭を危険視「金よりも情熱を」

text by 編集部 photo by Getty Images

アントニオ・コンテ
チェルシーのアントニオ・コンテ監督【写真:Getty Images】

 チェルシーのアントニオ・コンテ監督は、MFオスカルの中国移籍が濃厚となった現状を受け、サッカー界の移籍市場で存在感を増す中国の巨大資本への危機感を口にしている。16日付の英紙『ガーディアン』など複数メディアが伝えた。

 中国の上海上港から巨額なオファーを受けていることが報じられていたブラジル代表MFオスカルは、オファーに応じて中国へ移籍する見通しであることを自ら明らかにした。「90%確かな話だよ。あとは書類手続きだけだ」と話している。

 上海上港はオスカル獲得のため6000万ポンド(約87億5000万円)のオファーを提示し、選手本人にも高額年俸を準備しているという。オスカルのみならず、過去数年で多くの大物選手が欧州や南米から中国へ渡っており、世界トップクラスの報酬を手にしている。

 コンテ監督はオスカルの移籍の見通しについて、「私は一人ひとりの選手たちのあらゆる決断を大いに尊重する」と理解を示す一方で、「残念に思っているかどうかと問われれば、思っているよ。本当に良い選手であり、良い男だからね」と落胆を覚えていることも認めている。

 多くの選手が中国からのビッグオファーに応じている状況は、危機的なものだとも感じているようだ。「中国市場は、世界の全てのチームにとって危険だと思う。チェルシーだけではなく、世界の全てのチームにとってだ」とコンテ監督は語った。

 個々の選手の決断を理解はしながらも、「何より大事なものは情熱だと思う」とイタリア人指揮官は強調。「金の前に情熱がなければならない。スポーツへの情熱、サッカーへの情熱だ。我々が子供の頃にプレーを始めたのは、金ではなく情熱のためだけだった」として、巨額の報酬のみが選手を引きつける風潮には否定的な見解を示している。

【了】

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