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鹿島の大健闘退けレアルがクラブ世界一に。延長にもつれた死闘をCロナのハットで制す

text by 編集部 photo by ダン・オロウィッツ

クリスティアーノ・ロナウド
鹿島から3点を奪ったクリスティアーノ・ロナウド【写真:ダン・オロウィッツ】

【レアル・マドリー 4-2 鹿島アントラーズ クラブW杯 決勝】

 クラブ・ワールドカップ決勝のレアル・マドリー対鹿島アントラーズ戦が、18日に横浜国際総合競技場にて開催された。

 準決勝で南米王者アトレティコ・ナシオナルに対し見事な勝利を収め、アジア勢として初のクラブW杯決勝進出という快挙を成し遂げた鹿島。さらなる奇跡を起こすことを目指し、クラブ世界一の座が懸かる欧州王者マドリーとの決戦に臨んだ。

 鹿島はこれまでの3試合でベンチスタートだった金崎が今大会初めて先発に名を連ね、永木も先発に復帰。一方のマドリーは体調不良のため準決勝を欠場していた主将のDFセルヒオ・ラモスが最終ラインに入り、現状のベストメンバーを敷く。

 鹿島としては早い時間に失点して崩れることは避けたかったところだが、前半9分には早くもマドリーに先制点が生まれる。ヘディングでのクロスが小さくなったボールをモドリッチが拾い、ペナルティーエリア手前での胸トラップからボレーシュート。GK曽ヶ端の弾いたボールをベンゼマが押し込み、準決勝に続いての2試合連続ゴールを記録した。

 鹿島も失点直後に小笠原のミドルでゴールを脅かし、失点にも怯まない姿勢を示す。一方のマドリーは落ちついたペースで試合を進めながらも、チャンスの場面では一気にギアを上げてゴールに迫る。27分にはベンゼマがゴール右下隅を狙った鋭いシュートを曽ヶ端が弾き出し、37分にもモドリッチの強烈なミドルが曽ヶ端の正面を突いた。

 だがそのまま前半を終えようとしていた44分、鹿島に歴史的なゴールが生まれる。左サイドでボールを受けた土居が切り返して縦へ持ち込み、左足でクロス。エリア内で受けた柴崎はトラップがやや大きくなったが、そのまま左足でゴール右側へ低いシュートを蹴り込んで試合を振り出しに戻した。

 1-1で迎えた後半立ち上がり、世界のサッカーファンをさらに驚かせる展開が待っていた。52分、マドリーのクリアボールをゴール正面で拾った柴崎は、囲まれながらもボースを失わずシュートレンジへ持ち込む。エリア手前から放った左足シュートがゴール左下隅へと突き刺さり、マドリーを逆転する2点目のゴールを奪った。

 予期していなかったであろう展開に焦りも見せつつ、マドリーは攻撃の手を強めていく。59分にはルーカス・バスケスがエリア内へ突破を図ったところで、止めに入った山本がファウルを取られてPKの判定。エースのC・ロナウドがこれをゴール左隅へと強烈に蹴り込みスコアは2-2に。

 一気に逆転を狙うマドリーは猛攻を繰り出し、C・ロナウドやマルセロのシュートがゴールを襲う。73分にはベンゼマのターンからのシュートを曽ヶ端が見事な反応でセーブ。こぼれ球をC・ロナウドがゴールに押し込んだが、ベンゼマのシュートの時点でオフサイドの位置にいたためゴールは認められなかった。

 81分にも決定的な形でC・ロナウドが抜け出したが、シュートを曽ヶ端が足でセーブ。鹿島も87分にファブリシオのミドルが枠を捉え、直後にも金崎がゴール前に抜け出してGKナバスと1対1になるなど、マドリーをヒヤリをとさせる形をつくり出した。アディショナルタイムには遠藤に決定機が訪れたが枠を捉えられず、試合は延長戦にもつれ込んだ。

 延長前半の98分、勝利を大きく引き寄せるゴールを奪ったのはマドリー。鹿島の守備の一瞬の隙を突き、ベンゼマのスルーパスを受けて抜け出したC・ロナウドがこの試合2点目となるゴールを叩き込んだ。さらに延長前半終了間際の104分、クロースからのパスをエリア内で受けたC・ロナウドがまたしても豪快に蹴り込み、ハットトリックを達成。マドリーがリードを2点に広げる。

 最後まで諦めず攻める姿勢を見せ続けた鹿島だが、疲労もありそれ以上の反撃はならず。鹿島の大健闘を退けたマドリーが2年ぶりにクラブ世界王者のタイトルを獲得した。

【得点者】
9分 1-0 ベンゼマ(レアル・マドリー)
44分 1-1 柴崎岳(鹿島)
52分 1-2 柴崎岳(鹿島)
60分 2-2 C・ロナウド(レアル・マドリー)
98分 3-2 C・ロナウド(レアル・マドリー)
104分 4-2 C・ロナウド(レアル・マドリー)

【了】

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