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CB冨安健洋がすごい! 20歳にしてその安定感、大会中に完全覚醒も。散髪でより精悍に

text by 編集部 photo by Getty Images

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冨安健洋【写真:Getty Images】

【日本 1-0 オマーン AFCアジアカップ グループリーグ第2節】

 20歳の若武者がクリーンシート達成に貢献した。日本代表は13日、AFCアジアカップ・グループリーグ第2節でオマーン代表と対戦し1-0と勝利。冨安健洋は随所に力を示している。

 前半に多くの決定機を作り出したものの、ことごとく決められず。それでも28分、原口元気が自ら獲得したPKを沈め先制に成功した。

 後半に入ると日本の攻撃はトーンダウン。リードしている展開で意図的に緩めた面もあるだろうが、オマーンを勢いづけてしまったのも確か。とはいえ無失点で終えることができたのは収穫だ。前半にカウンターからヒヤリとする場面こそあったが、90分通してチーム全体で集中力を保って戦った。原口の1点が決勝点となり、日本は決勝トーナメント進出を決めた。

 CBでフル出場した冨安は自信を持ってプレーしていた。初戦のトルクメニスタン戦ではボランチの一角で出場するもCBとは勝手が違った。前で奪う姿勢は見せたが、被カウンターに対する準備不足もあり、満足のいくパフォーマンスとは言えなかった。

 今回は最終ラインの中央を務め、時折加速してくる相手にも冷静に対処した。また、後方から高精度のフィードを供給するなど攻撃面の持ち味も発揮。本来はボランチでもクオリティを発揮できるはずだが、アジアカップは冨安がA代表の選手として初めて立つ公式大会である。それを考えれば、ひとつのミスが失点に直結するCBで堂々と戦えている点は、むしろ彼の評価を高める要素だ。

 味方に安心感を、相手に威圧感を与えることもこのポジションでは重要だ。まだ20歳と若く、仲間に支えられる立場ではあるが守られてばかりではない。その安定したプレーぶりは、今大会はもちろん向こう何年というスパンで見ても期待が膨らむ。昨年の代表戦から髪型も変わり、ヘアバンドも“卒業”。より精悍な印象を与えている。

 次節以降はセットプレーでも強さを見せたいところ。2試合を消化し、アジアカップは一筋縄ではいかないことを冨安も感じたはずだ。決勝トーナメントに入れば1点の重みはさらに増す。そうした中でFKやCKに合わせてネットを揺らすことができれば、日本の大会制覇も近づく。

“日本の壁”としての存在感は、すでにその身に纏っていると言えるだろう。決勝まで進めばチームは残り5試合を戦うこととなる。厳しい戦いを経て優勝をかけた大一番のピッチに立つ時、冨安は選手として新たなステージに上がっているかもしれない。

 今大会で完全に覚醒する可能性は十分にあり、なおかつポテンシャルの天井はまだ誰にも見えない。

【了】

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